●令和元年6月議会質問原稿

令和になって最初の議会の最初に登壇させて頂く栄誉を味わいつつ、第126代天皇として即位遊ばされた今上陛下を寿ぐと共に上皇上皇后陛下のご功績に感謝申し上げ、質問に移らさせて頂きます。
元号は世界で唯一日本だけのものですが、新しい元号令和が5月1日から施行されました。令和は、長い元号の歴史で248番目に初めて日本の古典の万葉集から採用されました。
万葉集は天皇や貴族のみならず各階層から幅広く採用され、東歌や防人の歌として載せられています。まさに日本人として民族のDNAを呼び覚ます、日本人そのもののたましいの歌であります。
天平2年西暦730年正月13日、九州大宰府で大伴旅人が主催する梅花の宴の事を記した序文「初春の令月にして気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こな)を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かおら)す」から採ったものです。
この令という字は、日本で最も権威ある辞書の、白川静の「字通」に「礼冠を着けて跪(ひざまず)いて神意を聞く人の形」とあります。
万葉集は、大伴旅人の子の大伴家持によって完成しましたが、この大伴家持は、君が代に次ぐ第2国歌とも言われる「海行かば」の作者でもあります。この時期に日本の正史であります日本書紀や古事記も世に出されました。
巻の五に、「神代より言い伝(つ)て来(く)らくそらみつ大和の国は皇(すめ)神(がみ)の厳(いつく)しき国言霊(ことだま)の幸(さき)はふ国と語り継ぎ言い継かひけり」と山上憶良(やまのうえのおくら)の好去(こうきょ)好来(こうらい)の歌に見られるように、日本の国柄が形作られた高揚した時代でもあります。
古代の息吹を今に伝える格調高い新元号であり、日本人として日本に生まれたことを誇りに感じるところであります。
令和が施行される5月1日は、中土佐町とも関わりの深い気仙沼市や郡上八幡市、松山道後温泉などで、前夜からカウントダウンに向けてお祭り騒ぎ、東京渋谷のスクランブル交差点では若者などが街頭に繰り出し最高潮の興奮の坩堝にありました。
町の公文書に記載する年号は、天皇を第1章とする法体系である日本国憲法の下にある日本国の一機構として、日本の文化を伝える元号使用がふさわしいと思うところです。西暦と言うと何かしら正しいと思うのが日本人ですが、西暦はキリスト生誕を紀元とするグレゴリオ暦で、キリスト教の押し付けであり、憲法20条の信教の自由に抵触する憲法違反との学説もあります。所見をお伺いいたします。

道の駅なかとさの凍結中の温泉の活用についてお伺いいたします。12月議会で足湯活用の検討を示唆されていましたがその後の経過や今後の方向性についてお伺いいたします。

高知カツオ県民会議で申請されたカツオ文化の日本遺産は残念ながら登録には至りませんでしたが、今後の方針についてお伺いいたします。
カツオ料理職人を対象とした、カツオマイスター認定制度が始まりました。
鰹乃國中土佐としても、カツオ料理に長けた人材は豊富であり、認定される有資格者は相当数おいでると思います。
この制度は中土佐町にとっても有難くかつ有効な重要な意味合いを持つものだと思うところで、認定に向けた取り組み支援を行う必要があろうかと思います。現在、何人が認定を受けたのか、どのような支援策を考えておられるのか町長のご所見をお伺いいたします。

地域コミュニティ推進と常会の果たす役割についてお伺いいたします。
議員として、地域を回っていると地域からのいろいろとご意見を頂くところです。地域には様々な課題等があるというのが良く分かります。
地域要望を行政につなぐ事は議員の仕事の一つでもあります。
そうした中で、地域コミュニティの視点からは、地域で要望をまとめられ、地域が課題解決に取り組むというのも地域コミュニティ推進、民主主義の在り様としてもいいのではないかと思うところです。
常会長に地域の課題や要望を聞き、必要に応じて予算化するようにして地域コミュニティの育成を図って行くよう取り組んではいかがか。常会の役割や課題の対応は一律的には困難とは思いますが、やれる地域から順次取り組んで行けばいいのではないかと思うところです、方向性をお伺いいたします。

地域をくまなく回っていて、あのおうちはこの前まで暮らしていたのにと思いながら、空き家が年々多くなって来ていることにこころ痛みます。
4月27日付高知新聞にも総務省の空き家調査が記事になっていました、空き家率は13.6%で、全国で846万戸という事で、県内は18.9%約2割です。
そこでお伺いいたします。
中土佐町の全世帯の空き家率はどれくらいか、全世帯数と空き家数をお答えください。その中で、町営住宅数と空き家数もお聞きいたします。
町営住宅の空き家充足対策はどのように考えておられるのかお伺いいたします。
移住者定住者対策としての対応は十分承知している積りであり、それを批判しているわけではありませんが、空き家がある中で、長沢に新たに公営住宅の整備も行われており、論理的説明をお伺いいたします。

介護保険についてお伺いいたします。
先だって、週二回デイサービスを使用している母と夫婦の3人世帯の人から、介護保険の給付について相談を受けました。
内容は、「今、仕事で大変で、今まで妻がデイ以外の日は家で介護や食事の世話をしていたが、妻も更年期障害の症状がでて、対応が困難になった。介護サービスは、家族がいる場合はサービスが制限されるという事で、困っている」というものでした。
この場合の介護給付の実態をお聞きいたします。
介護保険は、福祉制度の生活貧困者に対する制度から、介護に支障のある人に対するサービスに大きく変更され老人福祉法から介護保険法に特化したものになりました。
その根本は、「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練、を要する者について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう必要な保健医療福祉サービスを行う」と介護保険法の第一条に目的を述べています。
第41条に、介護給付は厚生労働省令で定めるところにより市町村でその額がきめられ、当該サービス費を支給とあります。
自立生活に困れば誰でも介護サービスは等しく受けられる制度が介護保険法制定の趣旨だったはずです、私は、高知市の職員の時代に老人福祉法から介護保険法に様変わりする状況を見てまいりましたが、この例のような事例のように家族がいるから介護給付が拒否あるいは制限されるという事態を防ごうというのが趣旨でした。
この場合、介護サービスはどうなるのか、制限される場合の法的根拠、第何条に規定されているのかご教示ください。

森林環境譲与税が施行されました。
この法律の意味するところは、都会のお金を疲弊化する田舎に回そうというもので、水源涵養や地球温暖化防止、国土保全と言った人類を含め地球環境に大きな役割や機能を持っているにも関わらず、放置され荒廃が進みつつある森林の保全や活性化の財源として活用していこうというものです。
所管する農水省林野庁の説明では、森林をキーワードに森林を活かした中山間の農村地帯の活性化に役立つものであれば、地域の実情に応じて運用可能だと説明されていました。
田舎の問題は、少子高齢過疎化による人口減少であり、地域社会、地域コミュニティを支える人材はいない、地域でお金を得る手段が少ないという事です。
今、地域に残る地域を支える者達で、地域ぐるみで地域環境保全活動を行っています、その中には、問題となっている竹林の伐採や山の整備などを個人的に行っているところですが、集落が集団でこういう事業を行い、そこに森林環境譲与税が充当されれば、集落が荒廃する森林環境の整備の取り組み、地域の活動費も捻出でき、地域コミュニティの活性化にもつながるところではないかと思うところです。
森林は水の源、命の源でもあります。5月1日に即位された新陛下は皇太子時代に、「水運史から世界の水へ」という水に関する書籍を出版されてもおり、改めて、水と森林の関係がクローズアップされて来るだろうと思うところです。
森林問題は川下問題も含め、循環させることが先決です。まず、この法律の主旨を踏まえ、地域にお金を落とすことから始めるべきだと思うところです。
やり方を工夫し取り組むべきですが、ご所見をお伺いいたします。

美術館に関してお伺いいたします。
美術は人に感動をもたらし感性を磨き人の創造力を駆り立てるものであり、人のみに与えられた精神的内面を豊かにしてくれるものであります。ここに人はパンのみに生きるにて非ずのことわざがあります。
美術の豊かさは、その地域のその社会のその国の真の豊かさ、文化の高さを表現するものであります。
中土佐に美術館があるのは、そういう意味で幸せな事であります。
中土佐町にとって大きな財産、宝である美術館の移転計画についてはいろいろ意見があります。
南海トラフ大地震の発生可能性が80%台に上がって来ており、いつ、中土佐町が大地震、津波に襲われるとも限らない状況にあります。現美術館に収蔵の美術品は約700点、時価数億円と目され、それぞれ大変貴重なものです。
しかも、新施設に収納するまでには、建設が始まって5年ほどかかるという事であり、一刻も早く高台に移転すべきであり、計画の前倒しを行うべきだと思うところです。
昨日の美術館30周年記念式典で名誉町民の奥谷博画伯が記念講演で、戦争から救った美術品の話をされましたが、高台移転は津波から救う事であります。美術館整備に多大の寄付をされた町田菊一さんのご子息淳一郎さんは祝辞の中で高台移転を熱望されたところであります。所見をお伺いいたします。



 

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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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