佐竹敏彦短歌作品集

〇短歌コーナー


令和6年2月
鈴の音に神の声聞く八幡の御神穀様の実り豊けく

 

令和5年12月
あぜ道の辺りを染める彼岸花見るに懐かし今どこに咲く


令和5年10月
今はただ思い出とのみあの夜の一つひとつが蘇り来る


令和5年8月

義理とても身内となれば悲しみは日々にいや増す弟は逝く


令和5年6月
行く人にこころの秋を見る時か悲しみ抱き日々は重なる


令和5年4月
阿蘇の地に激しく喘ぐ火の山の焔を見ては君と戯むる


令和5年2月
高山に町を訪ねて共に見る今は寂しく色蘇る

 

令和4年4月
阿蘇の地に激しく喘ぐ火の山の焔を見ては君と戯むる

 

令和4年2月
高山にまちを訪ねて共に見る今は寂しく色蘇る

 

令和4年12月
幾万も時も厭わず国葬に悼む人らの献花は続く

 

令和4年10月
思わざる事に出遭いて倒れたる人に手向けむ旗翻る

 

令和4年8月
ひまわりの空いっぱいに咲き誇る君と観た日の映画悲しき

 

令和4年6月
桜吹く陽射しの中に身罷りし戦さ人らの御魂慰む

 

令和4年3月
三度立つ朝一面に染む青を気負い立つ身の励ましと見ん

 

令和4年2月
木犀が周り掠める秋空の友の法事の筆山は澄む

 

令和3年12月
君逝くか唐突にして声ならずあの夜の事の事ども騒ぐ

 

令和3年10月
真夏日の蜩哀し降りそ注ぐ暑さに耐えてひたすらに鳴く

 

令和3年8月
木々一つひとつひとつに久久能智の命の宿る山拓きゆく

 

令和3年6月
神となる大和男の子のこころかも夕暮れに染み淡き色舞う

 

令和3年4月
火の国の炎を見んか君と来てその激しさにともに味わう

 

令和3年2月
秋赤く宮島に食む牡蠣二つ妻の勧めん酒酔うに飲む

 

令和2年12月
朱き裳にしずしず舞いぬ巫女たちと響く鼓を父祖も見つつか

 

令和2年10月
父の日に我が子の贈る飼い猫の便り嬉しきその気遣いも

 

令和2年8月
夕暮れの鹿威し鳴く庭先に今日のもろもろ人知れず消す

 

令和2年6月
学び舎の便りに記す懐かしき名前見出しその日を浮かぶ

 

令和2年4月
菩提寺の読経の声に子の年の事共祈る人群れる中

 

令和2年2月
新穀に祈りを捧げ四方の地の安寧願う国や雄々しき

 

令和元年12月
古希近き生れを祝う言葉来る身近に二匹猫の声聞く

 

令和元年10月
雨垂れにいや増す青き渓流の安居の里にかじか声沁む

 

令和元年8月
安かれと身をも捧げし民草の御霊さやけき靖國に吹く

 

令和元年6月
御代替わり令和と刻む万葉の響きを承けつ桜いま咲く

 

平成31年4月
友垣の愛娘逝く思いなき便り手にする春まだき朝

 

平成31年2月
自らにほむらを裁ちて逝きし友酒ほがらかに交わす日々浮く

 

平成30年12月
彼岸花咲く墓床に孫子らの住める空きあり我が家続かん

 

平成30年10月
孫四人それぞれに皆癖伸びて生きる命の逞しくあれ

 

平成30年8月
娘子の祝いに植えし梅に咲く空に伸び行く蘖の枝

 

平成30年6月
藩も捨て国を作らんこころいき子らに伝えし桜いま咲く

 

平成30年2月
片眼とて生きる命のあるものをなどに隠れむ幸淡き猫

 

平成30年4月
ただ涙原子に焼かれ命絶つ余多の人の広島の朝


平成29年12月
幕別の木枯らしに舞う湯煙の向こうに燈るあかり妖しき

 

平成29年10月
松山にこころを残すその人の今は如何にと思いを致す

 

平成29年8月
その昔山に賑わう銅掘りの廃れし跡の別子の里踏む


平成29年6月
桜飛ぶ吸江の地に鎮まれる四万柱のこころに想う


平成29年4月
古ゆ民靖かれと祈り継ぐ大御心の休かれと請う

 

平成29年2月
この頃に言葉違えて去りし子の夢に三つ四つ逢える日やあれ

 

平成28年12月
初めての温もりを知る秋の日の出雲の海に齢経て来ぬ

 

平成28年10月
この思いあの日に運べ二人して水に戯れ溶け入りし日の


平成28年8月
三年の産土を食む身にいまだ知らぬと応う悲しくもあり


平成28年6月
飛騨の地の想い出の乗るさるぼぼの人のこころの今にあれかし

 

平成28年4月
浮かんでは浮かんでは来る身罷りぬ叔父の姿はやさしきにあり

 

平成28年2月
愛瀰詩住む国に求めて立つ朝の共に育める時蘇える

 

平成27年12月
この日来る水の印しのその下に温もり求む人遠き今

 

平成27年10月
思いなく友を弔う日に君に遭いて高鳴る戸惑いの中

 

平成27年8月
齢超え帰りて家の裏山の草刈る度に父母の声する

 

平成27年6月
二歳を命の限り民草に夢を求めて生きてあらしも

 

平成27年4月
この人と思えるほどの営みを日々送りゆく今は幻

 

平成27年2月
七年の時の向こうの君の身の温もり今にこの手に伝う

 

平成26年12月
昇る陽を両手に拡げ今日の日のいのちの齣に幸あれと乞う

 

平成26年10月
君が代の御霊を祀る大宮の奉仕の杜に八咫烏舞う

 

平成26年8月
ふるさとに命を捧ぐ兵のこころを祀る靖国に立つ

 

平成26年6月
紅葉舞う色とりどりの山々の古里いずこ今蒼きのみ


平成26年4月
夢なれば身近に交うときもあれ二つに別つ傷いまだ病む

 

平成26年2月
賑わいは幼き頃の思い出となりてたたずむまちは淋しき


↑ ページの上部へ

プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

SIDE MENU

事務所

佐竹敏彦事務所
〒789−1302
高知県高岡郡中土佐町上ノ加江山内1741番地
0889−54−0405

satake0711@me.pikara.ne.jp