●令和元年9月議会質問原稿
質問に入る前に、個人的体験を通じた役場職員の対応について、感謝と共に報告させていただきます。
7月の終わりの午後でした。地域活動で年配の単身女性を訪問した際に、コンクリートの上がり框に直径10センチほどの血が三か所ほど落ちており、その人の脹(ふくら)脛(はぎ)に両方10センチほどの傷口が見えました
思わず、これは傷が深いのでは思い、病院に行こうと声を掛けましたが固辞され、どうしようかと迷っていたところ、ふと役場には保健師がいると思い、急いで健康福祉課に電話を入れ保健師に相談いたしました。
通常業務ではないので、駄目だろうと思いつつも、事情を説明、取りあえず来て診てもらえないかと懇願したところ、直ぐに駆け付けてくれて、応急処置をしていただきました。結果は擦り傷で事なきを得たところで、課長にも断りの電話をさせて頂いたところです。
これで思うに、役場としてはイレギュラーの仕事であり、通常の業務ではないにも関わらず、快く対応した健康福祉課長や保健師の英断に嬉しく思った事です。役場は人の役に立つところだと常々言われてまいりました。町民の生命や財産を守るのが役場の本来機能です。中土佐町役場の心意気に感謝申し上げ報告とさせていただきます。

先の参議院議員選挙に関してお伺いいたします。
今回の合区制度による投票率の低下は深刻なもので、投票率は45.5%という大変低いもので、特に、徳島県では誰か知らないよその県の人という捉え方だったようでした。
この制度、票の下の平等の結論であり、今のままの制度として維持していくならば、人口減少化の続く地方の広域化か地方議員を確保させるための議員数増かどちらかとなっていきます。いずれにしても、人口の少ない地方の声は中央では、相対的に小さくなっていきます。
この抜本的解消には憲法改正しかありません。
憲法改正により参議院の役割を都道府県単位に改めれば、都道府県の単位の大小に関わらず、定数も少数で定めることが可能で議員定数の削減も図れるところであり、参議院の機能の定義も都道府県の代表と明確化できると思うところです。
ところで、今回、ユニークな議員が当選いたしました。れいわ新選組から難病等の重度障害を持つ二人が当選、障害者福祉推進を標語にする政党の誰もできなかった事を実現させました。選挙制度を上手に活用した実に戦略にたけたやり方だと思います。
もう一つ、NHKから国民を守る党の候補者の当選で公共放送としてのNHKのスクランブル放送などの改革を求める政党の当選者の実現です。
これらは、いずれも従前の政党の民意収集システムに異議を唱えたもので、民意が奈辺にあるのかを既存政党に詰め寄るものであります。
選挙という現代民主主義の基本が問われるものであります。
この現象を見てみても、時代のニーズが大きく変容してきているのではないかと思うところです。
町内を回っていて、今回の参議院選挙の新たな動きから時代の要請、ニーズに対応しきれない何かがあるように感じるところです、何かおかしい、そこにある意味、投票率に現れている民意ではないかとも思うところです。
町政をめぐり、今回の選挙を振り返って町長のご所見をお伺いいたします。

8月20日に県と町村長の意見交換会が開かれたと報道がありました。
席上、AI等先端技術を活用した中山間振興策が提起が為されたとの事。
市町村議会議員研修でビックデータとAIによるスマートシティ化の取り組みの講演がありました。遠い先のはるか未来の事だと傾聴していましたが、町村長のこれらの声をお伺いして、現実の問題だと認識を新たに致したところです。
時代はビックデータ、人工知能AI、GPSを組み合わせた情報通信技術IOT、第5世代移動通信システム5(ファイブ)G通信によるICT等、時代はコンピュータ技術と情報通信能力の発達に伴い大きく変化、過疎高齢地域の自動運転、スマート農業等無人化技術の進展も身近なものとなりました。物理量の最小単位で粒子とも呼ばれる量子による最先端コンピュータの登場も言われています。
そういう状況を踏まえた意見だったと思いますが、先端技術を活用する施策展開についての中土佐町の取り組み状況はいかがでしょうか、町長にお伺いいたします。
パソコン好きな中学生の孫たちに聞くと、学校のパソコン授業で教えてほしい科目はプログラミングの作成技能だという事で、こういう先端技術を学べる教育環境の充実化が学校現場でも問われています。現状はどうか取り組みの方向性はいかがか教育長にお伺いいたします。

8月に新消防庁舎の起工式が行われたところで、これで、地震津波対策の新庁舎も全て着工の運びとなりました。中土佐町の一等地であるいわば永田町霞が関が一新いたします。
公共交通の拠点施設のJR久礼駅を中心に街の在り様が大きく様変わりします。
しかし、久礼駅の付近は特急の停まる駅としては些か寂しい様相を呈しています。以前にも議会で、久礼駅中心の再開発を提起したところですが、駅の西側がコンビニ等の出現で変わりました。ここに役場庁舎、消防庁舎と都市化が始まります。人の流れも変化します。
そこでお尋ね致しますが、JR四国と連携した駅周辺を賑わいのあるまちに取り組んではいかがかと思うところで、町長のご所見をお伺いいたします。駅の西側に西口を設け、駅舎にも賑わいのある建物に作り替えるなど、鰹乃國の顔として整備を図るべきだと思うところです。

ある人から提案を頂きました。これも以前質問したかと思うところですが、大野見のマンガ神社に関してであります。
高知県主催の全国の漫画ファンの高校生による漫画の作品大会の漫画甲子園が開催されており、今年で28回を数えます。
今年のテーマ「元年」の最優秀賞は中々の傑作、さすがだと思いました。こころがあります。漫画は私の小さい頃は、読むとバカになると言われて、読むなと怒られたものですが、現在の漫画は、とてもとてもです。アニメを含めて日本人の能力の素晴らしさを感じます。高知県は、特に漫画王国であり、数多くの漫画家を輩出しています。
この漫画甲子園と大野見のマンガ神社とコラボした取り組み、イベントを行えばマンガ神社のPRと共に地域資源を活かした活性化策にもなるのではないかという提言をいただいたところです。漫画甲子園に臨む高校生たちにこのマンガ神社に参拝していただき、成就祈願か、結果の報告を行う事で、漫画に取り組む心意気を伝え、魂の触れ合うパワースポットとにもなりうるのではないかと思うところですが、いかがでしょうかお伺いいたします。

広域自治体新電力事業化の取り組みについてお伺いいたします。
須崎市が中心となり関係6市町村の須崎市、土佐市、津野町、檮原町、越知町、日高村と高知新聞社等で、新電力事業化の取り組みが進められており、シンポジウムが開催され、私もそれに出席させていただきました。
地域を元気にしようと電力を販売する地産地消、地産外商でもあるという説明に納得したところです。公共料金である電気ガス水道で水道以外は民間事業だが、電力事業を行政がやってもいいのではないか、その方が安定するというものです。中々いいアイデアで目の付けどころがよいと思うところで、中土佐町の加盟の有無についてお伺いいたします。

県道上ノ加江窪川線の道路改良の見込みについてお伺いいたします。
上ノ加江から越ノ谷を通り矢井賀の山を経て窪川東又を抜ける延長19.4キロメートルの道路で、一部二車線化が進められています。つい先だって、高知新聞に東又の黒石バイパスが開通した旨の報道もありましたが、中土佐方面はまだまだです。この路線、かつては国鉄バスが通る道でもありましたが、最近は交通量は多くはないように見受けられます。
ですが、向こう30年の発生率が80%にも上ろうという南海トラフ巨大地震等で海岸沿いを通る久礼上ノ加江矢井賀を繋ぐ幹線道路が津波で浸水した場合、交通網が相当期間遮断され、物資の輸送が途絶えます。そういう点で、この路線は第二の重要幹線でもあろうかと思います。命の道です。
災害に備える道路として、思い切ったルート変更も含め早急な改良が求められるところですが、道路事業に強い町長に早期実現を目指すように県等に要望願いたいところですが、見込みを含めご所見をお願いいたします。

人権啓発アニメ映画「めぐみ」の上映についてお伺いいたします。
横田めぐみさんが13歳で北朝鮮に拉致された事件を取り上げたもので、戦後最大級の人権侵害事件であります。
日本人が外国人に人権を蹂躙された事件であり、私も高知市でこの問題で署名活動を行っていますが、若い高校生など、めぐみちゃんが拉致された年齢と同年代の人は感じるところがあるのでしょう。積極的に応じて下さいます。
政府としても重要案件として力を入れている問題であります。
お尋ねいたします。
中土佐町で上映されたか、その回数。されていないならその理由、今後の上映計画についてお聞かせください。
この事件に関して人権と言う視点での町長、教育長の思いもお伺いいたします。
拉致事件は様々な視点で提起されていて、横田めぐみさんを取り扱った舞台「めぐみへの誓い」で、めぐみさんと同様に拉致、幼子二人を日本に残して北朝鮮に連れていかれた田口八重子さんを演じているのが、今度、11月4日の防災講演会で講演される予定の半井小絵さんです。

多文化共生についてお伺いいたします。
多文化とは日本の文化以外の文化を含めた概念で、共生とは、その多様な個性のものが相手の足りない点を補いながら一緒に生活している状態を言います。
この二つの概念を組み合わせた言葉は理想的ないかにも耳当たりのいい言葉です。
ですが、共生には、ダイナミックな緊張関係があり、当事者間のパワーゲームという側面が指摘されています。
実態としていかがでしょうか。文化対文化の闘いです。
日本人なら当然分かる事が理解できない、まったく理解しえない、逆の発想に転化されている、そういう状態です。こういう事を意味するのが多文化共生です。
いかに大変な状況、事態を意味するかお分かりだろうと思います。
この社会が実現すると、何が正しくて何を信じて生きて行けばいいのか、分からなくなります。そこで重要な事は、私たちの価値観考え方、正義をしっかり教える事です。
これが道徳教育の本質になります。
私は教育勅語を毎朝、暗誦していますが、巷間指摘される箇所を踏まえ、何回読んでもこの文章のどこが悪いのか分かりません。高知市で行われた講演会で、ビートルズのジョンレノンの曲「イマジン」はご存知と思います。この曲は、伊勢神宮に参拝時に触発されて、日本の建国宣言の八紘一宇の理念を歌ったと知らされました。改めてイマジンのworld will be as one世界は一つになる、日本のこころに思いを致しました。日本人として当たり前の事を教える、いわゆる日本人としてのアイデンティティです。
これが多文化共生の社会で重要な事です。今、日本では外国との関係、特に中国や韓国との関係で多文化共生が言われますが、本来持つ意味を正しく教えて行かないと、常に緊張感を強いられた生活を送る事にもなりかねません。
「お天道さまが見ている」という文化の国と「嘘でもいい相手が信じ込んだらそれでいい、事実はどうでもいい」との違いです。いかがお考えかご所見をお伺いいたします。



 

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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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