平成28年11月4日臨時議会反対意見

役場庁舎位置住民投票条例案

「津波で施設は流され、観光施設が結果的に人殺しの施設になってはいけない。13メートルの津波が想定され、津波で流されるところに施設を整備してよいはずはない」。
そして「人の命を大切にすることが大事」。
当然の事であります。行政は生命、身体や財産を守ることを目的としています。
「ある日、突然、地震が起こり津波が来る」。
私は、それなら久礼の町や上ノ加江を高台移転するよう主張し運動するのが、第一義的な最重要のものではないかと思うところです。
1000年に一度の津波の高さは、町内最高で22メートル、久礼の市街地は13メートル前後と想定されているところです。それに対して標高は、現在の役場庁舎3.2メートル、ライオン広場2.3メートル、大正町市場3.1メートル、新港3.7メートルで、請求代表者の自宅は4.3メートルであります。
これは久礼にとどまらず中土佐町の海岸部地の住宅地はすべて水没という事を意味します。まさに、津波そのものに関しては、ご指摘のように何も造るなであります。それなのに、毎年、税金を支出し、街の整備を図っています。大正町市場に観光拠点施設「ぜよぴあ」も完成いたしました。一億円です。
この論理で言えば、矛盾している事であります。津波が自宅に来るのです。津波で全滅する久礼のまちに税金は無駄遣いであり、津波の来ない大野見地区を基本にまちづくりの投資を行うべきという事になります。
津波の被害を受ける場所に予算を投資するなという事の筋で言えば、人口の6割を占める久礼市街地の整備に予算化するなと言うことでしょうか。
津波のないところ、皆、願うところであります。
主張するところは尤もなところでありますが、人の命を守ろうというのであれば、まず住宅を高台移転とそれに要する費用の捻出を言うべきであります。
SEAプロジェクトは、大野見との合併以来の懸案事項として10年来の侃々諤々の論議の結論であり、議会としても課題として論議を行ってきたところであります。議会としての一連の作業は一体何だったのだろうかと思うところで、代議制民主主義としての議会軽視だと思うところです。
10月6日に起工式が行われ来年7月オープンを目指し着々と準備が進められているところで、住民投票が可決され、賛成多数の賛同が得られたとしても、建物は完成します。
議会の議決を経て約5億3000万円かけた建物は完成したものの、使用や利用はできず、起債等の支払いのみが町民の肩にのしかかり、所期の目的を達成していないという事で、国費や県費の返還を求められる事も予想されるところです。
町民はただ借金を返すのみということに成り兼ねません。政治的には決着のついた事業です。現段階で、意味意義のあるものとは思えません。


SEAプロジェクト事業住民投票条例案

「津波が来る、人が死ぬ、役場は高い所から見ていて、人が死んだ後、復旧復興工事をするのか、人を助ける視点が全然ない」と疑問視され、「まず、人を助けること」という事で、「町民交流会館前広場に役場庁舎を建設すれば、高い場所に避難が出来、津波が来ても人命が守れ、安全安心ができる」。
津波で流されるところに施設をつくるのは公金の無駄遣い、人の命を大切にすることが大事という趣旨、この事は至極当然の事であります。
庁舎は、災害時の救援救助の拠点施設であり、司令塔です。当該の広場2.3メートル、津波は13メートル。当然高いところとなります。10メートル以上の土地造成が必要となります。請求代表者は、久礼中学校の高さです、20メートル以上です。高い所から見て
いることとなります。
日本は、台風、地震、津波といった自然災害の坩堝です、それでも4万年前からこの大地に暮らしています。災害と共生する生活を日本人は選んできました「土左国田苑50余万頃没して海となる」と日本書紀に記され、黒田郷が水没したと伝わる白鳳の大地震、近くでは宝永・安政の大地震や昭和21年の南海地震等数々の被害に遭ってきましたが、その都度今の地で再建を図って来ました。
それが我々です。我々の先祖の営みです。災害と共に暮らす、災害との共生の生活です。
津波被害を心配するなら、久礼は高台に移転という事が本来至上命題であり、最も喫緊の政治課題のはずであります。
この条例案が可決し、住民投票で過半数となれば、役場庁舎整備費は土地造成を含め20億円以上と見積もられる経費が、主に町費で負担していく必要があるという事です。町民に多大な負担をかけてまで、町民交流会館前広場に役場庁舎を建設するというのはいかがなものかと疑問を呈するところであり、合併特例債など町にとって有利な起債で、役場庁舎を改築する方法を選ぶのが賢明だと思うところであります。


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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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