平成28年9月議会質問原稿

「日本、凄い」。
リオオリンピックの感想です。日本国は、金メダル12個を含む41個のメダルを獲得しました。メダルが取れた取れないにかかわらず、それぞれの選手の皆さんに敬意を表したいと思います。最善を尽くし精一杯戦われた、その活躍ぶりに目を見張ったものでした。
中でも感動は、37秒60のタイムで銀メダルを取った男子400メートルリレーです。世界一の最速男ウサイン・ボルトも日本チームに自ら握手を求めてきていました。個人記録には現れませんが、誰かが9秒台をマークしているという事でもあります。男子体操では金メダルの内村航平選手が、表彰式では声が裏返るまで君が代を歌ってやろうと皆で言っていた、と発言しました。
この国歌君が代は、今から1000年以上前の平安時代醍醐天皇の延喜5年に高知にゆかりの深い、「土佐日記」の作者紀貫之たちが編集した「古今和歌集」の、詠み人知らずの「わが君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」が原歌で、皆の健康、永遠の生命、安寧を寿ぐ歌です。
4年後の東京オリンピックでの日本人の活躍を期待したいと思います。
質問です、中土佐町に4年後のオリンピックに参加が期待出来得る人物がいるでしょうか、いるとすれば支援体制等必要ではないかと思うところですが、いかがでしょうか。
次に、日本国の国体の在り様を左右する天皇陛下の重大発言がありました。譲位は日本国憲法の改正が必要との見解を内閣法制局は採っていますが、この発言をめぐって、マスコミが「生前退位」と報道していることに、歴史研究を趣味としている立場の者として違和感を覚えます。日本の歴史上、天皇がその地位を退く場合、譲位と定義されています。多分に歴史のテストを行えば、生前退位と解答すれば零点にされます。通常、退位とは生前に行うものと定義されており、それに生前を形容詞的に付けるのは屋上屋を重ねる言葉になり、おかしな表現です。
日本の国語学の文法や歴史用語から、生前退位は正しい表現かどうか。教育長にお伺いいたします。教育上、どう教えればいいのでしょうか。
SEAプロジェクトの8月3日の臨時議会の実施設計可決後の進捗状況については行政報告で説明を受けたところで、開会日当日請負契約議案も可決いたしましたが、賛成した立場の者として、今後のSEAプロジェクトの運営が順調に軌道に乗り、所期の目的を達成できるかどうかその責任の一端があるからであります。
成功裡にすすめられるよう、人的ネットワークを含めあらゆる資源を活用した取り組みが求められるところでありますが、地方自治法第74条の条例制定の直接請求の署名活動が行われている中、今後の政治的課題ついてお伺いいたします。
地域コミュニティ振興の視点でお伺いいたします。
日本の文化、地域コミュニティの核は神社とともにあり、祭り、つまり神祭はその核となるものであります。しかし、担い手がいなくなり、やってくれる人が少なくなってきました。地域の核が失われつつある現状を嘆く声が少なくありません。原因は、少子高齢化、過疎化です、人が激減し物理的に田舎が持たなくなって来たのです。結果、ボランティアで支える人もいなくなり、祭りを行うお金にも事欠くようになりました。
高知県の三大祭りの一つ、火祭りで有名な、我が久礼八幡宮の秋季大祭いわゆる御神穀様も同様です。元々は、室町期に遡る久礼郷、つまり安和を含む北村、今の久礼の中心街の中村、上ノ加江の南村の三か村の総鎮守の祭りとして行っていたもので、松明と太鼓で五穀豊穣や領民安寧を共に祝う行事でした。それが、安和が廃止となり、上ノ加江は奉堂地を所有する頭屋の事情で休止の状態で、結局久礼のみとなり、文化伝統、地域の和が失われつつあります。
久礼八幡宮のこの行事は、久礼郷あるいは久礼保と言われていた時代から、地域を結び付ける紐帯でありました、絆です。現代風に言えば、住民の相互のコミュニケーションの場であり、地域コミュニティでありました。固い絆がここから生まれていたのです。
久礼八幡宮は、中土佐町の重要文化的景観の対象です、そのソフトとしての文化が松明行列です。
「神祭」、神社の祭りを支える仕組みは、つまり地域コミュニティの再生、復興であります。
町からこういう事業に対し、コミュニティ助成事業の活用等により地域コミュニティ振興を推進するようにすべきと思いますが予算化に取り組めないかお伺いいたします。
今、あたらためて地域の繋がり、その核は神社のこうした祭り、「神祭」であることが、地域コミュニティが崩壊している都市部を中心に沸き起こってきています。
戦後は憲法の政教分離の名の下に神社に対する支援が禁止されてきました。しかし、ハーグ陸戦法規という国際法違反を侵してまで、アメリカがしたかった事は、こうした地域のつながりを壊す事でありました。
政教分離は、今の日本国憲法の定めですが、この憲法、国際法違反の代物であり、かつ、法制定以前からの習俗や慣例は、慣習法とされるのが法の概念であり、憲法に触れるものではありません。
日本は同一の地域に、DNAのハプログループを同じくする人種が居住し、文化や文明を醸してきたという意味において世界最古の歴史を有する民族である事はご承知のところだと思います。
現代人のホモサピエンスがアフリカに誕生して20万年、出アフリカから10万年、日本列島に到着して以来4万年という長い時間の中で、日本人はこの大地で歴史を紡いできたのです。それは縄文文化に代表され、日本人の自然観、人間観、宇宙観は古事記に集約されていますが、みな等しく「神」であり、集団で物事を決めるという和のこころを基本としてきました。
日本の神々はすべてに命が宿り、皆が平等という、現代の人権思想のはしりでもあります。そうした精神風土の中で、私たちは、皆で一緒に物事を進めるとの手順を学びました。これが地域コミュニティの核であります、そして事が終われば、そのシンボルである神の前で、神への捧げもののお神酒でつながりを深めるという事を行ってまいりました。
これが日本であり、日本の強みでありました。それゆえ戦後、GHQはこれを恐れ、日本解体の手始めとして、これを禁止する手立てを講じました。これらの一連の行為は、ハーグ陸戦法規という国際法違反です。
私たちは、先人が培ってきた伝統や文化を後世に引き継がなければなりません。いわゆる「縦の民主主義」であります。歴史や伝統を失なってはならないのです。
世界の国々の憲法を比較して、それを憲法に規定している国が多いのが実情で、キリスト教圏やイスラム教圏の国にはその傾向が顕著です。日本が異常なのです。伝統文化の復興として取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
森林に関して森里海連環の視点でお伺いいたします。
杉ヒノキ等の針葉樹林は、材としての効用がなければ、大地に取り問題というのが最近の研究で言われています。リグニンは分解が遅く、栄養分となりにくいところですが、それに較べて広葉樹の腐葉土から出るフルボ酸が鉄分と結合し、フルボ酸鉄となって川や海の栄養分となり藻やプランクトンに吸収され、それらを餌とする貝類や魚類の繁殖の栄養源となり、豊かな川、豊かな海となります。そういう点で、森と川と海が繋がり森里海連環という循環系になるのです。
中土佐町には清流四万十川や太平洋に面していて、まさにこの森里海連環圏が重要な地域であります。上ノ加江においても、両栄川の源流域が植林の結果、大地の貧困化が進み、磯焼け等で海の貧困化現象が起きています。先だって、「漁場に行かんと魚は獲れん」の見出しの後援会報を持って久礼を回っているとき、年配の女性から「行っても魚はおらん」と言われましたが、魚の枯渇化現象は餌となるプランクトンが繁茂せず、食物連鎖の崩壊が引き金となっているのが原因で、それには山の荒廃が大いに関わっています。
豊かな海、魚の豊富な海づくりには山の再生が条件です。「森は海の恋人」と言われるように、循環系の山づくりが必要です。広葉樹林、雑木林、複相林の山です、そうした山々は地域に人が住む事が必要です、人が住むには産業が要ります。それが循環系の自然の姿です、落葉広葉樹林化の推進が川や海の復活には必要ですが取り組みについてお伺いいたします。
併せて、森林の再生、山の復活には、山の作業がお金に還元される仕組みが必要ですが、その有効な手立てとして木質バイオマス発電等エネルギーとしての活用が方法の一つだと思うところです。
先だって7月に行われた市町村議会議員研修で田舎の所得の取り戻し1%戦略に、エネルギーの地産地消がありました。薪ストーブをはじめ木質エネルギーの復活です。再生可能、循環型エネルギーです、田舎には無尽蔵にあります、いずれ活用策を検討すべき課題となる現在凍結中の久礼新港背後地事業の一環である温泉の加温化にも薪エネルギーの活用が望まれるところですが、取り組みについてのお考えをお伺いいたします。
通勤に関する補助制度の創設についてお伺いいたします。
中土佐町から、須崎市や高知市など町外にお勤めの人も相当いるのではないかと思いますが、町としては把握しているでしょうか。
この方々は、ややもすると、町外に居住していたかもしれない、そういう点では、町としてはありがたい方々であろうかと思うところです。通勤費、会社が一部を支給しておられるかもしれませんが、大半は自腹を切っておられるのではないかと思います。
交付税交付要件に人口があります、町外通勤者であろうと町内に居住すれば算定根拠になり、町にとっては嬉しい事で、通勤費支出は交付税と比較してコストパフォーマンスからも得ではないでしょうか。
そこでお尋ねいたします、今後とも町内に居住していただくためにも、通勤費を補助する制度を新たに創設して、町人口の増加につながるように手立てを行ってはいかがかと思うところですが、ご所見をお伺いいたします。
人権に関してお伺いいたします。
6月18日に高知市で北朝鮮拉致被害者を救う活動のお手伝いをさせていただきました。日本人最大の国家的人権侵害事案と言っても過言ではない、横田めぐみさんをはじめとする日本人が北朝鮮に拉致され、いまだに帰国できない人たちの救出を訴えるものです。ビラを配るのですが、学生など若い人は、渡そうとしても、どこ吹く風で受け取ってもいただけない状況に多々遭いました。もちろん、受け取る、受け取らないは強制されるものでもありませんし、本人の自由意志であります。
ですが、私は、この問題は、人権問題の最たるものの一つだと思うところで、人権教育の成果が表れると思うものであります。
しかしながら、街頭活動で感じた事を一言でいうと、人権教育が思うほど私たち一人ひとりの身に付いていない、他人事の人権教育ではないかと思うところです。拉致被害者は、日本人であれば誰でも当たり前に享受される基本的人権が、まさに、いわれなき理由で侵害されているというものです。それも外国の不当な行動によってであります。
教育長、高知県では、香美市香北町の福留喜美子さん、同じく香我美町の別役桂子さんなど物部川流域で3名、宿毛市、土佐清水市、いの町でそれぞれ1名を含む7名が拉致されているとみられています。場合によっては、町民も拉致された可能性もあるわけです。人権問題としてどのように捉えられているか、また、人権問題の現在進行形の生きた教材として学校現場で教えていくお積りはないかお伺いいたします。ヘイトスピーチ解消法が成立しましたが、それ以前の問題として部落差別を含め、差別解消や人権対策は自治体の重要施策として取り組まれてきたところです。それがいまだに、存在するという事は、真剣に取り組んでこなかった、あるいは、取組効果がなかったということではないかと提起もしましたし、やってもいない大日本国憲法下の国家行動で虐殺されたという作り話で子供たちに人権を教えていたのではと指摘したこともありますが、拉致問題という現実の今の問題を題材に、人権を守るのは国家の強い意志が必要だという事も含めて人権を教えて行くべきだと思うのですがいかがでしょうか。
私が日々の研鑽に属している団体の研修で驚くべきことを聞きました。
世界で100年以上の歴史のある企業の約80%が日本の企業で、200年以上続く企業は日本3146社、次ドイツ837社、オランダ222社、フランス196社と続き、中国はわずか9社、韓国はゼロ、1000年以上のベストテンのうち7社が日本企業で、世界最古の企業は創業578年聖徳太子の時代に創設された金剛組で、2位池坊華道会、3位は山梨県の西山温泉慶雲館だという事です。
これは、永続可能な文明社会を継続させる体制、国の在り方を示すことのできるポテンシャルを持つ国でこそ為し得るものであり、あらゆる物を認める共存性という日本の宗教性にあって、継続性を重んじる日本人の価値観によるものが大であります。その永続性の象徴である世界最古の王家の血脈、万世一系の祈りの存在としての天皇、皇室制度が大いに影響しているという事です。
凄い事ではありませんか、これこそ世界が称賛する日本の伝統であり、イギリス女王エリザベス二世よりも上位のローマ法王と並び称せられる理由でもあります。
学校現場で、こういう素晴らしい事実を教えて行く積りはないか、教育長にお伺いいたします。企業が続いていくという理念として、本人、相手、社会の三者に利益がある、いわゆる三方良しの精神風土が大きく影響しているといわれますが、今、こうした考えは学校現場で教えられていないのが現実です。日本の良さを伝えていく事は、ふるさとを愛する教育にも繋がることだと思いますがいかがかお伺いいたします。

 


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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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