平成29年6月議会質問原稿

平成29年6月議会質問原稿

安倍晋三自民党総裁は憲法記念日の5月3日、日本国憲法第9条に第3項を追加し自衛隊の軍として位置付け、教育の改革を主な内容とする憲法改正と、2020年施行という目標年度を提起し憲法改正に向けた国会議員の発議を促しました。
いよいよ憲法改正が具体的なスケジュールで俎上に載ってまいりました。オリンピック・パラリンピックの年に新たな日本国が始まるのです。
疲弊した田舎、その再生・創建は私たちの手に委ねられています。憲法改正は、自らの手になる新たな国づくりが始まるという絶好のチャンスでもあります。日本国のグランドデザインを描く、憲法を取り戻す時代が来たという事でもあります。
「日本を今一度せんたく致し申候」。坂本龍馬の言葉です。
今、まさに、脱藩してまで成し遂げたかった龍馬の新国家建設がそこにあります。
町長は、高知県町村会会長に就任されましたが、町村の疲弊の解消、抜本的制度改革が求められている地方自治の今日、その取り組みについてお伺いいたします。
町村会会長として、一人中土佐町に限らず、県や国に地方の置かれている実情を報告し、その改善を求め得る立場にあり、期待されるものが大であるからです。就任に当たって、「地方を守るため、県とも調整して国にしっかり声を上げていきたい」と抱負を述べられています。
私は、高知市職員の時代に、高知市として高知県市長会を通じて、県や国に政治的課題に属するマター、イシューを業務として担当してきた経過があり、その視点で、池田町長として中土佐町を含む、町村課題を汲み上げ、国や県に改善改革の要望を挙げてもらいたく、どのように考えておられるのかお伺いをいたします。
町村の資産は、かつては土地や山林の保有は資産であり、資産家でありました。それが今は、大きな借財と変化しています。土地を持てば借金になるというのは、世界的視点からみればおかしな話です。税制等の大きな制度の変更が原因です。
田舎の復活のためには、日本国の制度改革が大前提です。土地を持てば財産になる、世界では当たり前の事です。税制の抜本的改正等含め、日本国の制度を改める必要がありますが、日本国の仕組みを変えようという大きな動きの中で、高知県町村長会の会長として、また、四国町村長会会長、全国町村会筆頭副会長という立場から、どのように考えられ、中土佐町を含む農山漁村の再生に向け県や国に働き替えるお積りかお伺いを致します。

かつて土佐藩では、通常の藩組織とは別に大政奉還の少し前の慶応2年に開成館が設けられ、軍艦局、貨殖局、勧業局、捕鯨局、税課局、鉱山局、鋳造局、火薬局、医局など12の局が置かれました。藩の地産外商を行う、いわば現在の総合商社です。土佐和紙、樟脳、茶、砂糖、鰹節などの専売品を長崎や上方に販売、殖産興業が図られ、幕末、西南雄藩として明治新政府の立役者となりました。販売主張所は土佐商会として、後、三菱商会と発展いたします。
地方もこうした組織を作り、地方創生、ひと・まち・しごと総合創生戦略の専門体制として推進していくことが喫緊の課題であります。
株式会社SEAプロジェクトが、地方公共団体中土佐町の別動部隊として、これに近い組織ではないかと思うところであり、非常に期待するところですが、ご所見をお伺いいたします。

姉妹都市締結の有無についてお伺いいたします。
4月12日に議員研修で北海道幕別町を視察いたしました。研修名目は、災害時相互援助協定、新庁舎でしたが、その夜の幕別町長等執行部を含む懇談会で、友好都市・姉妹都市の締結の気運が盛り上がりました。町長、何事も物事はTPO、天の時、地の利、人の和です。幕別町は東日本、対する我が町は今後30年の内に発生する地震確率30%以内という統計数字もあります。災害時の相互援助協定を一歩進めて姉妹都市の締結で、相互の交流を深めて行く事が両町にとっていいのではないかと思うところですが、町長の英断を期待したいところでご所見をお伺いしたします。併せて、7月15日の道の駅なかとさオープンに合わせ、幕別町の特産品等の展示販売を行うお考えはないかお伺いいたします。
次にふるさと納税に関してお伺いいたします。
議員研修二日目の視察地の上士幌町は、人口4900人ですが、全国から20万人約21億円のふるさと納税があるという事です。
ネットを活用した都市と農村の物流、交流から始まり、今は子育て少子対策を目的に様々な施策が展開されていますが、まさに、ひと・まち・しごと総合創生戦略です、その原資の確保だと思います。この取り組みには、町長のやる気とリーダーシップが大きく作用していると見ました。ふるさと納税は殖産興業であり、自治体再生であります。
町長、我が町は3000万円が目標ですが、株式会社SEAプロジェクトも立ち上がったところであり、町挙げて取り組んで行くお積りはないかお伺いいたします。

4月9日、高知カツオ県民会議が結成されて初めてのシンポジウムが開催されました。県民会議の会長は尾崎知事で、副会長の一人に池田町長が就任され参加もされていました。
シンポジウムでは漁獲高が減少しているカツオの資源管理や食文化の在り方など幅広い意見が出され、「カツオを未来に残そう」と国際運動として高知県からその輪を起こしていこうと強い意志が示されました。
シンポジウムで提案された中で、カツオマイスター制度の創設やカツオ消費の意識改革などがありました。私は以前にカツオ学の創設の質問をした事がありますが、今回のシンポジウムの提言はまさにその内容を網羅するものであろうかと思われるところで、意を強くしたところです。
今年のかつお祭りでも、来賓として来られた尾崎知事もあらためて、高知カツオ県民会議としても国際社会にかつおの資源確保の提言していく旨アピールされたところでもあります。
そこで、お伺いいたしますが、「鰹乃國」として標語している我が中土佐にあって、カツオがいなくなれば看板に名折れするところであります。積極的に県民会議の取り組みを支援すべきであろうと思いますが、資源激減の危機を含めどのように考えておられるかお伺いいたします。また、マイスターの先駆的創設やカツオの食し方の取り組みの有無についてお伺いいたします。

中土佐町の高齢化率は43%で、少子化と併せ、地域が成り立たない限界集落、消滅集落への道をたどりつつあります。そうした中にありまして、地域コミュニティを支えていくためには役場職員の支援が不可欠であります。
それぞれの集落ごとに支援体制をつくり、それぞれの事情に合わせた支援体制を組む必要があろうかと思います。機構の再編と併せ、どのようにお考えかお伺いいたします。

ひと・まち・しごと総合創生戦略の施策の一つに、高台工業用地の整備が謳われています。地場産業の振興や津波被害が予想される平地からの事業所移転を図る事を目的とした政策です。
上ノ加江には、矢井賀出身の方が設立した日本を代表する一部上場企業と連携する事業所がありますが、津波被害の想定は言うに及ばず、大雨により河川氾濫でも浸水被害に襲われる場所に立地し、このままでは事業継続も危ういのではないかと危惧されています。
この事業所は経緯が経緯だけに可能な限りは、ふるさとの地で操業という事であり、私たちとしてはありがたい事ではありますが、市場原理に委ねられる状況の中、企業の善意にのみ甘えるわけにはいきません。
企業誘致が叫ばれてもいる中で、企業に残ってもらう対策も必要であります。
そうした背景にあり、高台工業用地の造成は有効な手段だと思うところであり、一人当該事業所のみならず、上ノ加江に希望する企業等の誘致や移転を図り地域振興を推進するためにも是非とも取り組んでいただきたいと思うところです。お聞きするところ、地権者の方も、基本的には賛同していただいているとの事、衰退著しい上ノ加江の振興の一助ともなり、夢ともなるところで積極的に進めていくべきだと思うところですが、町長の不退転の決意のほどをお伺いいたします。

久礼城址の活用についてお伺いいたします。
久礼城址は、中土佐町指定の文化財であり、予算でも遊歩道の整備費も計上されています。久礼城は、中世山城としては県下有数の規模と史跡としての価値を持つ城であり、県下ベスト5あるいはベストテンに数えられています。また、近年、歴女などファンが増え、山城ブームが起きています。
私の懇意にさせて頂いている、宅間一之土佐史談会会長も、測量を行えば県文化財として登録可能という回答もいただいています。
石垣も長宗我部方式とは異なる工法で築かれているとの事で、調査すればするほど貴重な文化財でもあります。県や国の文化財指定は、林勇作元議員の夢でもありました。
そこで、資料に基づき可能な限り当時の建築様式で再現した多門や櫓などの城塞機構の復元を図り、山城として整備を進めて行けば、観光資源として、山登りの健康づくりの場として、また、標高の高さからして、いざという時の避難場所としても活用可能であり、久礼の目玉、町のシンボルともなりうるのではないかと思います。日本城郭協会が4月6日に発表した続日本100名城では、高知県は岡豊場が選ばれましたが、四国四県では岡豊城ですが、徳島県は勝瑞城、一宮城、香川県は引田城、愛媛県は能島城、河後森城が選ばれました。それらの実情はご存知でしょうか。国指定の基準に対して、久礼城址は決して劣ってはいないと思います。
整備に充当する財源として、クラウドファンディングの手法を活用するなどして整備を進めていくお考えはないかお伺いいたします。このクラウドファンディングは、インターネットで不特定多数の人が団体等に資金の提供や協力を行う事で、アニメ映画の「この世界の片隅で」の制作費用の捻出で広く知られるようになった資金調達方式です。
余談ではありますが、安芸の妙見山に、「男子志ならずんば再びこの山に登らじ」と大書した岩崎弥太郎の話は有名ですが、久礼城のある城山も、事実の確証はないのですが、同じように誓いを立ててと故郷を後にされたという事を聞いた記憶があります。明治の人々の気概を感じるところでもあります。

子供達の議会見学についてお伺いいたします。
上ノ加江小学校では、3月議会にもありましたように本会議を見学し、中土佐町議会の審議状況を学習する授業が行われています。
「話し合いの中身は初めは難しいなと思って聞いていました。でも、テレビなどで聞く言葉も出てきて、何となく意味が分かりました。真剣に話し合いをしていて、みんなが中土佐町の事を一生懸命考えているんだなと思いました。との感想が3月21日発行の上ノ加江児童新聞NO23に掲載されています。
政治の現場を実際の目で知るまたとない機会であり、非常にいい事だと思いますが、他の小学校や中学生への拡大を行うよう指導するお考えはないかお伺いいたします。


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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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