●令和4年3月議会質問原稿

1. 今まで、よそ事と思っていた厳しい現実がウクライナで起きました。
ロシアによる侵略は、ウクライナ国内の二つの州の独立宣言をロシアが承認し、虐殺されている国民救って、という要請で侵攻したという体裁を取ったものですが、事実の有無は、さておいて、このやり方は、沖縄と北海道に先住民説を主張して日本からの独立を目論む人々が存在している限り、その危険性は疎かにすることはできません。 
日本が戦争に巻き込まれるから憲法9条を大事に守る、と主張する人たちもいますが、ウクライナの実態を見れば、この言葉は全くの幻想だという事が判ります。日本国憲法の描く社会がいかに空想の世界であるかを知らしめてくれる事実であり、早急に憲法改正をしなければ我々の生活は破壊されてしまいます。
併せて、国民を保護する手立てがないと、いざという場合にどのように非常事態から回避し身の安全を守るか、その計画がないと大混乱を招き、場合によっては避難も不可能な悲惨な状況という事にもなりかねません。
お尋ねいたします。町は、国民保護法に基づく国民保護計画の策定はしているのでしょうか、していなければその理由、いつ策定される予定なのか、お伺いいたします。 

 

2. 上ノ加江の振興策
今回の町議選で浮き彫りにされたのが上ノ加江の衰退であります。
現人口1000人、かつては久礼と肩を並べ、江戸時代には人口も久礼を勝る時もあったようです。良好の湾を構え、海運やブリの大敷網など栄えた時代もありました。上ノ加江の鉄道敷設の予定が阻止されたのも海運業等の隆盛の為せる業とも言われています。
ですが、現状は寂れるばかりです。菱高精機の大野見移転やかど福祉会の問題など、上ノ加江はお先真っ暗です。
これらの対応策としては、現状では政治はあまりにも無力です。議会が移転反対の決議を仮にしたとしても、どうにもならない現実が待ち受けています。
世界経済の大きな潮流や企業の論理、票の下の平等による格差是正で人口の多い都市部優先の国政では、地方の事は無視され勝ちになるのが実状です。
故郷に帰って来て、田舎の小自治体で田舎の復権を図る、そういう思いで取り組んで来ましたが、所詮蟷螂の斧。田舎の小自治体が、こうした世界の流れに掉さす事の現実の難しさを嫌というほど思い知らされます。
一地方で我々がいくら努力しても世の中の大きな動きには対抗できないのではないか、という悔しい思いを強くしています。
上ノ加江の衰退の原因やその対策を町長はどのように考えているかお伺いいたします。
これらの対抗策には、この際、思い切って国家の立場に立って、国際プロジェクトを導入し上ノ加江の振興を考えるべきではないかと思うようになりました。
私は国家プロジェクトの導入を提起したいと思います。
原子力研究学術都市を作る事を目的としたガラス固化体地層処分事業に係る地質調査事業です。これは高レベル放射性廃棄物処理施設の候補地を調査する事業です。
放射能といえば、すぐ過敏に反応する人もいることは重々承知しています。私も、家族が広島原爆被爆者であり事情はよく分かります。東北大震災で福島原発事故もあり、大変な思いもされたこともよく知っています。
また、かつて窪川原発の折りの事も知っています、当時高知市役所の職員として反対運動にも関わりましたし、事業導入をめぐる東洋町の一連の経緯(いきさつ)を書いた当時の田嶋裕起町長の「小さな町の原子力戦争」も読みました。
ですが、その知識の上に提案とさせていただきます。
このガラス固化体地層処分事業は、原子力発電で生じた使用済み燃料を、再生処理工場で再利用できるウランとプルトニウムを取り出した後の、残りの廃液をガラス固化体にして、さらに炭素鋼に詰め、1メートル以上のコンクリートで覆い粘土で囲み、300メートル以上地層深く埋設するものです。当然、理論上地球で起きる最大値の震度10の地震にも耐えうる設計構造になっているということです。
そうした安全構造の施設を整備するに適する立地要件の土地を調査するということで、文献調査に2年、概要調査に4年、その後14年かけて精密調査が行われ、最終的に実施建設が可能かどうか是か否かは住民の意見を聞いて決定されるというもので、施設の安全性については原子力規制庁による審査が行われます。文献調査期間に年間10億円、2年間で最高20億円の電源立地地域対策交付金が中土佐町に交付されます。概要調査や精密調査にも交付金が交付される仕組みとなっています。なお、地層処分事業の規模は約4兆円ということです。
原子力は未来を開く科学、サイエンスです。今、電源確保で、よく再生可能エネルギーが地球温暖化対策でカーボンニュートラルの視点から、叫ばれていますが、風力発電を進めてきたヨーロッパでは風が吹かずに電力不足に襲われ、太陽光発電はパネルの処理問題など自然破壊、環境破壊の最たるものである事が暴露され、雪や雨に弱いという弱点も明らかにされました。
で、EUでは原子力発電に方向転換しました。
今、世界的には原子力発電が、脱炭素で見直されてグリーンエネルギーと認定され整備に向けて、大きく舵が切られました。ロシアのウクライナ侵略で、ドイツも原子力発電廃止政策を見直しました。
原子力発電の核分裂型は、SMRという小型化され地中に埋設する方式の原発が計画されて来ています。また、京都大学では、放射性物質のでない核融合発電も実用化に向かっています。
私は、立地要件の適地として上ノ加江でこの第一歩となる処分場が整備されれば、それに合わせた、原子力研究の一大立地となるのではないか、そして衰退化に歯止めが掛けれるのではないかという大きな期待を持っています。
原子力は厄介ですが、反面、世界が競ってその活用を模索している未来のエネルギーです。原子力研究施設を基本にした原子力研究学術都市の整備は、世界をリードするビックプロジェクトとして期待が持てます。
この構想について、町長の見解を伺います。併せて、上ノ加江の振興にどのように取組まれるのかお伺いいたします。町は、歯止めがかからない少子化や町の衰退減少という厳しい現実にあります、いかんともしがたい状況です。
日本の国力の衰えに比例して、町の力も衰退しています。県が昨年度行った小規模集落の実態調査で、10年後、集落活動の維持困難4割という実態が浮き彫りになりました。そういう点で町長の意思が重要な要因になろうかと思います。

 

3. 森林環境譲与税の使途問題
1月31日付けの高知新聞に、「森林税5割超未支出 市町村使途見いだせず」というショッキングな見出しで、森林環境譲与税の問題が記事になっていました。
この制度は、森林整備や保全のために始まったものですが、いまだに未使用自治体は半数以上という実態だとのこと。
県内34市町村でも未使用は56%いうことです。
中土佐町はどのような状況でしょうか、お伺いいたします。
基金としているのは何のためか、お伺いいたします。
当初の狙いは、荒廃する森林の活用に、都市部から農村にお金を回し整備を進めていくという考え方に基づくものだったと伺っていますが、いつの間にか制度変容で、配分方式に人口割が加味され、森林面積の少ない都市部に優先的に配分されているということで本末転倒ではないかと思います。
9割の面積を占める中土佐町の森林の整備や森林の有効活用に利用する仕組みを作るべきだと思います。森林は脱炭素化の有効な手段です。森林活用の有効手段を検討すべきです。山に入って手入れをする、あるいは伐採をする、私も薪ストーブで暖を取っていますが、この原料に木を切って使っていますが、こうした薪の供給者に賃金を出すとか、課題の竹の切り出しに費用負担するとか、細かいことでもいいので、支出する制度を作ってはいかがかと思うところです。
森林整備に従事する人を育てる育成費としての活用もありかなと思います。かつて北海道で屯田兵という制度が設けられましたが、田舎の森林を守る育てる、いわば森林保全官とでもいうべき制度の経費としてもいいのではないかと思うところです。
固定資産税に関して質問したことがあります。山の所有が大きな負担になっているという実態から固定資産税納付に関して質問したものですが、この森林環境譲与税について固定資産税の負担軽減の視点から活用策の検討も願いたいところです。
2月7日付けの産経新聞に「森林買収中国の影 親会社は株式会社中国共産党」という見出しで、日本の森林が中国資本に買収されている実態が報道されています。私達が憂慮、危惧すべきは、これらは水源地の森が含まれているということです。水の源(みなもと)を押さえられたら安全保障の根幹が一気に失われてしまいます。外国資本からの防衛が急務です。森林環境譲与税の使い途はこういうところにもあります。
森は海の恋人。森林環境譲与税を地元還元して、それを原資に、持続可能な資源循環型地域社会を作るべきではないかと思うところですが、お伺いいたします。
何でもやってみる、です。常会で行う、森林整備作業に経費として交付する仕組みを作れば、地域の活性化の原資ともなり、資源循環型の地域共同体社会をつくるためにも有効活用できるのではないかと思うところですが、ご所見をお伺いいたします。

 

4. 久礼湾の気嵐の観光資源化
  真冬の久礼湾。ダルマ朝日とともに、海からの靄(もや)、いわゆる気(け)嵐(あらし)ですが、私も高校生時代に、通学中の早朝のバスから見える気嵐に感動しながら通ったものです。
いまでは、ダルマ朝日を含め写真愛好家が押し寄せ、観光バスも来ているというから驚きです。
そこで提案ですが、この気嵐、結構観光資源にもなり得るものだと思うところで、写真コンクールなど実施して、観光化に向けた取り組みはいかがかと思うところですが、取り組みについてお伺いいたします。

 

5. 成人式の年齢
  法律上の成人は今年四月から18歳。
  成人を祝う成人式の年齢については自治体に委ねられています。中土佐町は18歳で行うか、従来どおり20歳を対象とするのか、どちらにするのかお伺いいたします。
成人式は大人となるための儀式です。18歳から一人前の社会人という自覚と責任感をもたらすためには絶対必要だと思います、町長の見識をお伺いいたします。

 

6. デジタル自治体
今回の選挙で公約の一つに、デジタル自治体化、自治体DXを上げました。5G(ファイブジー)などを活用してAI化、ICT社会化でこれまで不利だった田舎、農村部、中山間でもその地理的時間的距離のハンディキャップの障壁が低減され、都市部と十分に対抗出来得ると判断したからです。
岸田内閣の政策にもデジタル田園都市構想が提唱されています。これは、どこにいても仕事ができるようにし、地方移住を勧め、地方を活性化させようとするものです。令和3年度補正予算としてデジタル田園都市国家構想推進交付金として100億円計上済みでもあります。県の令和4年度予算案に約10億円のデジタル化が計上されています。
これが、実現すれば、鰹乃国のキャッチコピーで売り出している海の幸山の幸の豊富な中土佐町の将来展望が開けるのではないかと大いに期待するところです。
町長、是非ともモデル事業化に手を挙げて、取り組むべきではないでしょうか。
折しも、コロナ禍で緊急避難的に行われて来たリモート会議の恒常化などデジタル化の取り組みは、ウイズコロナ社会の新たな働き方のモデルケースでもあります。議会のリモート会議も可能ともなります。
「自治体「書かない窓口」増」という見出しの2月12付け高知新聞記事がありました。行政手続きに身分証明書の提示と署名だけで申請書類を不要とするものです。
先日、従兄の死亡届等で役場を遺族と訪れる機会がありました。手続きは、ほぼ窓口一本化でしたが、マイナンバーで一括処理すれば、遺族が書類手続きせずとも済むのではないかと思ったものでした。
多岐にわたる死亡届の一連の手続きもこれで簡潔に済まされます。「スマホですべての手続きを60秒以内に完結」です。デジタル自治体とはこういう意味でもあります。
まさにデジタル化がこの制度です。マイナンバー制度の目的でもあります。
あります。やる気があれば町の未来は開けます、いかがお考えかお伺いいたします。

 

7. 美術館高台移転
新年度予算案に懸案の美術館の高台移転に関する予算が計上されていません。想定される南海トラフ地震の津波被害対策として喫緊の課題です、その理由を今後の方針を含め、いかがお考えかお伺いいたします。




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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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事務所

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