●令和4年6月議会質問原稿

中土佐町議会6月議会質問
1.自治体改革と憲法改正
ウクライナ戦争をめぐり憲法の改正についての賛同が7割を占めるようになった今、地方自治体の憲法上の規定についても改正すべきものが多々あると地方行政を担当していた者として憲法改正について思うところがあります。
地方政治を担う者として、町長として実務上改正すべき条項は何かお伺い致します。
国と地方行政の権限区分や財政上の配分など問題点が結構あります。改正すべきか現行法のままでいいのかどうかお伺い致します。
地方行政上の法に基づく制度実施が実質的に国の制度で行うべきものと思われるものでも自治事務として扱われ、地方負担とされる事務と思われるものも多々見られ、財政負担が荷重となっています。3割自治ともいわれるゆえんです。
自治事務、法定受託事務をめぐって国と地方で財源配分の抜本的見直しが必要ではないかと思うところで、憲法を改正して国と地方の機能や役割、関係を変える必要があるが、見解をお伺い致します。
2.森林環境譲与税による上ノ加江振興策
上ノ加江振興策に関してお伺い致します。
森林環境譲与税の使途について3月議会に質問したところですが、引き続き質問致します。前議会で地域還元の資源循環型社会を作る為の財源にどうかと提起していたところですが、改めて、この視点に立って、木質バイオマス発電所の整備についてお尋ね致します。
90%の森林面積を占める本町の特性を活かした地域おこしでもあり、再生エネルギー発電という持続可能な開発目標いわゆるSDGSでもあろうかと思います。
今後、電力消費量は現行1兆キロワットアワーがデジタル化やEV車の普及で 400倍の400兆キロワットアワーに上るという情報もあります。その電源開発には、地球温暖化対策で石炭石油天然ガス等化石燃料は忌避され、原子力発電か太陽光発電等再生可能エネルギーに比重が移ることが予測されます。
木質バイオマス発電施設はそういった諸条件に最適のエネルギー源です。
不足するかもしれないエネルギー源に、自ら原料としての木材を供出して電気を作り、自分たちの町のエネルギー、電源確保に努めるという意味で重要な自給自足の地域共同体づくりではないかと思います。
そういう事を考えているうちに、4月15日付けの高知新聞に、「バイオマス発電所+次世代型園芸施設 本山町にて営業運転開始」という広告がありました。先にやられたという思いで、5月19日現地視察したところであります。
総事業費約30億円で、嶺北地方の未利用間伐材木材チップ2万6000トンで出力1990キロワット、年間4000世帯の電力量を発電し、発電所の排熱や二酸化炭素を、パプリカ園芸ハウスの温度調整や光合成に活用するというもので、発電所と農園が一体化した新機軸です。まさにハイテク工場でした。
上ノ加江においてこのような木質バイオマス発電施設の整備を図り、産業化や雇用対策としても取り組んで頂きたいと思うところですが、いかがかお伺い致します。
3.公金の管理
山口県阿武町の新型コロナ対策臨時特別給付金4630万円の誤送信に関連してお伺いいたします。
この事案は、世帯当たり10万円の給付に関し町職員の一人が町役場のシステムから「銀行口座振込依頼書」を誤って印刷した事に端を発するものです。
この振込依頼書には、振込対象該当世帯の名簿の一番上の世帯しか印刷されず、当容疑者の口座に4630万円が振り込まれるようになっていたようで、担当の出納室の職員は二人、担当職員は振り込み作業に不慣れで他の職員によるチエックもなく、本来なら対象の463世帯を記録するフロッピーディスクに基づき金融機関が当該世帯に10万円をそれぞれ振り込むというものだったようですが、当の出納課職員が、振込依頼書を必要な文書と思い込み金融機関に別途提出したのが原因ということです。
この事案は中土佐町としても他人事ではなく、我が町でも起きうる事案として他山の石とすべき教訓を含んで思うところですがいると、町としてこのような問題はなかったか、防止できるシステムとなっているかお伺いいたします。
4.上ノ加江中学校校舎利用
リングロー株式会社が上ノ加江中学校校舎を利用してIT交流施設として活用する事を提起、4月20日住民説明会が行われました。
私も2回にわたった説明会を全て出席致しましたが、不安感はあるものの概ね受け入れるという雰囲気を感じたところでした。
無料でIT相談やIT講座等これからのデジタル自治体化の取り組みに当たっては願ってもない企業の到来登場ではないかと大いに期待するところです。町長も挨拶の中で、その辺の微妙な住民感情はお解りのようで、どこの何者か分からん者が来て、いきなり貸してくれ、ではもしもの際にどうなるかと懸念するのは尤もであり、町としては責任持って対応すると述べられました。
そこでお伺い致します。
住民の受け入れがまず基本だと言う会社の意向ですが、住民受け入れ決定について、いつ頃、どのような形でその意思表示と見做すのかお伺い致します。
かつて池川町で、校舎を利用したネット会社の社長の反社行為が発覚して問題となった事がありました、大変失礼だとは思いますが、万が一も想定すべきであり、あえて問いますが、身元調査はどのように為されるおつもりか、適格性の担保は何か。ただ単に信用してくれでは、後々、問題が起きれば済まされないと思います。
5月30日の説明会でも出てきましたが、上ノ加江の住民も見ず知らずの人が来て、という心配があるのも事実です。受け入れの決定をした際に、住民にどのように表明するのか、校舎は無償貸与という契約になろうかと思いますが、何年契約を想定か、契約解除はどのような段階が考えられるかお伺い致します。
提案内容は、IT交流拠点ということで、デジタル化という国全体の取り組みの潮流に乗るもので、今後の方針についてお伺いいたします。
デジタル化の推進に伴い、都会から遠く離れた田舎町でも、リモート会議など、5G、AI等で、時代の最先端技術を活用した取り組みが可能となり、雇用増や移住促進が図れる可能性が高まります。
若者定住は、出産可能世代と定住という期待も生じます。この人達にとっての解決されるべき課題に教育があります。学力問題が問題の基本となりますが、高等教育機関が無いことが大きなマイナスポイントです。これを解消するツールの一つとして、英会話能力を中心とする英語の充実化、充足化だと思います。
デジタル田園都市化と共に、英会話は勿論、英検やTOEICも合格率が高いとなれば、より一層移住定住希望者が増えるのではないでしょうか。
リングロー株式会社の取り組みを期待したいと思うところで、自治体デジタル化の有力なエンジンになろうかと思います、連携プレーを期待し推進していただきたいと思うところです。
5.部落差別解消法と人権教育
部落差別解消法に関連してお伺い致します。
平成28年に制定されたこの法律では、部落差別という状況に鑑み差別解消に向けた国や自治体の責務が明確にされています。
今年は、大正11年に、同和差別の解消を願い、人の世に熱あれ、人間に光あれ、と格調高く謳われた水平社宣言100周年の年です。
その実現を目的に、昭和44年同和対策事業特別措置法が制定され、以降平成14年までに特別措置として事業が行われて来ましたが、現在では、一般行政として対応されています。
そういった中で、人権啓発センター前の公衆トイレが老朽化した事等に伴う解体撤去予算で差別ではないかという声があり、取り組みに疑念が持たれる発言がありました。
問題となるのは、当該地域がどうかという事です。
法的、行政的にどういう扱いなのか、お答えをお願い致します。
中土佐町に、この法律に照らして、どういう差別事象があるのか、またあればどういうふうに対処しているのかお伺いいたします。
差別としての取り扱いがあれば由々しき問題です。なければ、そういう事を言わしめる事態が、逆に問題となろうかと思うところです。
憲法第14条には、国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分及び出自によって政治、経済、社会的関係において差別されないとあります。どこであろうが差別されてはなりませんし、如何なる立場でも差別はしてもされてもいけないという事であります。
部落差別解消は、行政として重要な施策ですが、中土佐町としてはどのように取り組んでいるのかお伺い致します。
人権の考え方は、国際社会では、行動監視をはじめ日常生活に自由が何の理由もなく突然奪われ、文化、言語、土地を失う等の人権侵害に対する問題が主流です。
日本では、日本国憲法に定める基本的人権や個人の尊重が重要な理念であり、ジェンダーフリーやLGBT、格差社会貧困女子など個人の権利としての人権に比重がおかれ、国際社会の人権規範と大きな違いがあると指摘されています。
そういう点で、国際社会で大きな問題となっている、ウイグルのジェノサイド等の人権侵害問題が日本では関心が薄く、結果、中国に対する資産凍結等の制裁を実行している世界から孤立化している状況にあると言われています。
国際標準にあった人権意識が必要であり、そういう視点に立った人権教育が求められていると思うところです。人権や自由、民主主義、法の支配といった価値観を共有する国々が、日本をサプライチェーンから外すという最悪の事態を招きかねません。
教育長のお考えをお伺い致します。
6.平和教育
5月27日は、日本海軍連合艦隊がロシアバルティック艦隊を破った日本海海戦の日です。
毎年、この日上ノ加江の忠魂墓地で、戦死者の慰霊が行われています。
ただ近年、遺族が高齢化したこともあり、参加者は私と従弟の二人だけとなってしまい、墓地の清掃も覚束なく荒廃化が進んでいます。
戦死者の墓地は、戦争の記念物、戦争遺跡でもあります。高知県では戦死者を祀る忠魂墓地や忠霊塔を平和教育の題材に活用しようという動きが出ています。
教育基本法第2条第5号に国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことという教育目標が掲げられています。
戦争遺跡を通じて、この目的を実現、達成するためには、どのような行動が求められるか、平和の実現のためには、日本として国際社会に果たす役割は何か、平和を叫ぶだけでは平和は実現しないという真の意味を含めて学ぶことが重要だと思います。
中土佐町ではいかが取り組む予定かお伺いいたします。
地域を守る、地域の歴史教育という意味からも、施設の清掃活動に生徒たちに掃除のお手伝いをしていただくことも教育の一環として重要ではないかと思うところですが、対応についてお伺いいたします。
また、上ノ加江の忠魂墓地に隣接して、民間墓地がありますが、参拝者のごみが忠魂墓地に廃棄されているようです。注意を促す看板設置等できないものか併せてお伺いいたします。



 

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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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事務所

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