●中土佐町議会
 令和5年12月議会

1. 知事選
11月26日執行の知事選に関してお伺いいたします。
中土佐町の投票率は43.58%で、浜田候補に投票した者は有効投票数の87%と圧倒的支持が得られています。
知事選のNHKによる出口調査で、期待する政策の一位が43%で物価高景気、二位が18%の教育子育てと医療福祉、三位が人口減少対策、四位が5%の防災、また、県経済活性化に必要な施策としては34%が企業誘致で続いて地場産品販路拡大26%、移住促進17%、交通インフラ整備11%、デジタル産業創出10%、外国人観光客誘致2%という順位でした。
物価高については9月議会でも質問したところですが、知事選でも県民の多くの声として改めて対策が求められるところです。
また、少子化問題で我が議会では少子化対策特別委員会を設置して私も副委員長として運営に携わっているところでもあります。
今回の知事選では、信任投票的な意味合いが強かったというふうに思いますが、その中にあっても県民が期待するところは物価高に伴う景気対策であり、子育て少子化対策ではないかと思うところです。
少子化は、中山間振興とも密接な関係にあります。知事も昨日の所信表明で不退転の決意で臨むと表明されています。少子化対策としての中山間振興ビジョンでは、基幹産業の一次産業や建設業で若者に魅力ある仕事を創出、デジタル技術を活用した生活環境整備を提起しています。
いかがでしょうか、町長。
先だってアメリカ人から見た日本の状況についてお話を聞く機会がありました。奥様がいの町出身で、娘さんが仁淀川町で地域おこし協力隊として働いておられるロバート・エルドリッヂさんです。エルドリッジさんは、少子や過疎の対策は安全保障の本質だとおっしゃっておられます。歴史や文化、伝統を維持する事こそ地域であり、人がいることであるという事です。まさに然りです。
34市町村議会議員423名の有志による勉強会「地方議員ゆずの会」が立ち上がり、現在、少子化について論議している中で、前回第3回目の会で、安芸市議会議員からは「子供を10人産むとしたら可能な政策は何か」、産婦人科の無いまちで子育ては出来るか、「給付や補助金で少子化対策という方向性である限りは10000%無理、少子化には対策がないという事を認めて本来的な意識と生活をかえていくしかない」という男には分からない提起もされたところで、7人の子供を育てる須崎市議会の女性議員からは、生活は苦しかったが出産をためらわせる制約からはフリーだった、子供を産み育てる事に喜びや楽しみ、希望があると思える状況を作る事という自らの体験を通した意見を述べられ男社会から見る政策形成に一石を投じられました。
少子化で問題なのは、これから生きて行く子供達が少子化社会で現在の生活基準が維持できないという深刻な事態に直面するという事を理解し行動するかどうかです。世界でもトップレベルの社会保障制度が無くなり今の社会を享有できなくなるという事です。子供が産める次世代の頑張りどころ、踏ん張り如何が少子化対策の根幹だという事が浮かび上がって来たのです。
少子化対策は究極のSDGSです。
次世代を作らない民族は滅びます、少子化は現行の社会保障のレベルが維持できないという厳然たる事実を我々に突き詰めるものです。
女性が子供を産まない理由の多くは、この国に希望がないからと久礼出身の女性に言われました。
馬を水飲み場に連れて行くことはできるが水を飲ますことはできないとは昔から言われる言葉ですが、私たちの勉強会でも改めて指摘されたところです。
産む産まないは、当該女性の意志次第です。
子供を産み育てることに将来の夢や希望、楽しさがあるという実感を作り出すことが、重要なポイントではないでしょうか。7人の子宝に恵まれた女性の声でもありました。
我々のする事はその条件整備です。
町では少子化対策に重点的に取り組む予算化が取られてはいますが、この女性の視点から、いかにすれば子供を産むか、その環境整備は何か、で施策化が必要ではないかと痛感したところです。
新年度予算や体制で物価高に対する施策、少子化に対する姿勢についてお伺いいたします。
2. 町のグランドデザイン
防災対策と庁舎等公共施設の整備で国際賞ICPMAの最優秀賞を受賞しました。受賞理由が公共施設群高台移を中核に、人々の安全を最優先させるという社会的意義の重要性、被災後の迅速な復旧計画まで見据えたまちづくりというものです。
公共施設の高台移転、津波避難タワーや避難道の整備、日常生活だけでなく観光にも防災の概念を取り入れた防災テーマパークという総合的な災害対応が、津波被害が想定される世界の各地域でも学ぶべきことの多い先進事例だとも評価されたところです。
久礼や上ノ加江は海の近くに漁業や海運を基本に発展してきた歴史があります。ですが、東北大震災の被災後、津波対策で高台を中心にしたまちづくりが基本となってまいりました。
久礼も、役場庁舎や消防署、学校保育園、そして懸案だった美術館と高台移転に動きつつあります。
南海トラフ地震では被害総額が172兆円、最悪220兆円とも推計されているところで、発生後20年間の累積損害は1240兆円という土木学会の試算もあります。被害は甚大です、事前に対応していれば復興費は減額されると思います。要は被災額を事前復興の投資と見るかです。
町の被害総額は現段階で未定ということですが、対応如何で復興費も減額できると思います。
授賞理由に沿った課題の対応は津波可能性のある住宅街対策です、財産権の問題や住民の意向も問題もあり、難しいところですが、事前復興計画とも併せ、久礼駅西側中心にまちづくりのグランドデザインを作成し、町民に総合的な防災対策プロジェクト案を提示して新たな防災対応を基本基幹にしたコンパクトシティ化に取り組んではいかがかと思うところですが、いかがでしょうか。
3.上ノ加江公民館西隣地の活用
  上ノ加江公民館ですが、支所併設で利用者も大くいます。そこで、問題となっているのが、クルマで来る利用者の駐車です。現状では、駐車場が満杯になって、民地に停められているケースも多々あり、苦情も寄せられているということです。
  そこで、ある人から提案されましたが、公民館西側に空き地があり現在使われていないということですが、隔離する塀があり、まったく遮断されています。塀を除ければ、いざ避難ということになれば公民館からすぐ中山に避難もできるし、クルマも駐車できる、一石二鳥では、というものです。
地権者の方と協議して塀を取り払い駐車場として活用してはいかがかと思うところです。サービス向上のためにもお願いしたいところですが、お伺いいたします。
4. 上ノ加江集学校と上ノ加江小、学校教育
リングロー株式会社が上ノ加江中学校校舎を活用して、令和5年「おかえり集学校プロジェクト」としてスマホやネットなどIT活用して雇用創出を含めた地域活性化を目指す上ノ加江集学校が開校しました。
これからの社会はデジタル化であり、自治体DXです。そういう中にあって、集学校の取り組みは、今までのハンディを取り戻す有効な手段を提供してくれるツールでもあります。
次世代を担う子供達にデジタル化の取り組みを推進していけば、新たな産業として都会に行かずとも、生まれ育ったまちで生活が可能です。女性の雇用も生まれ、課題の女性の流出も防げる少子化対策にもなろうかと思います。
現状、上ノ加江小学校などとの関りや連携の状況はいかがでしょうか。
このままでは廃校の可能性がある上ノ加江小学校です。上ノ加江集学校と連携し、デジタル推進の学校として、また、既に何回も質問して来たところですが、英会話の能力を高める先進的な取り組みをすれば町外等からいわゆる留学生も不可能ではないかと思うところです。
デジタル化は田舎でも起業化が可能であり、少子化の課題の女性の雇用につながり、将来性のあるものです。
これは上ノ加江小学校に留まらず、町全体の学校教育も含め取り組むべきだと思うところですが、ご所見をお伺いいたします。
5. みどりの食料システム戦略
環境と調和のとれた食糧システムの確立のために環境負荷の低減、つまり低農薬や有機農業の促進等を図るみどりの食料システム法が制定されました。
奇しくも高知県内では、市町村議会議員の有志を中心に高知県オーガニック議員連盟が立ち上がり、減農薬や有機農業をより積極的に進めていこうという議員たちが結集しました。
従来、食料生産は自由経済の名の下に、工業製品の輸出とバーターで切り捨てられてきたきらいがありましたが、ウクライナ戦争で食糧危機が叫ばれるようになり、食料安全保障として改めて自給自足化の取り組みが進められるようになりました。
オーガニックの農業は、日本の農業にとり起死回生のチャンスではないかと思うところです、とりあえず、安心安全を目的とする学校給食の食材を確保して需要を確実に確保して、生産者の安心感を得ることから食料の生産体制の確立を目指すべきだと思います。
農業は伸びしろのある産業です、農山村、田舎の基幹産業です。補助金行政ではなく、産業として成り立つ政策が必要です、少子化問題でクローズアップされましたが、田舎で生活するには食べていける職が必要です。
農業は田舎でこそ有効な産業です。
家族を養っていける、職業として未来がある、夢がある、そういう手立てが今求められています。田舎の少子化過疎化の解決手段の大きなキーワードでもあります。
衆議院議員の尾崎正直前知事が、みどりの食料システム戦略に関して11月21日国会質問されていました。肥料等の原材料高騰等の価格転嫁や農産物輸出という視点ででした。
農産物の価格転嫁は、農業が低所得の原因の多くは農産物価格であり、まさにここに根本的要因がありますが直ちに実施するには困難です。
農産物輸出は農協などを通じて可能であり、地産外商でもあります。そこでは残留農薬基準が相当に厳しい国があります。減農薬有機農業はこれをクリアーできるのではないかと思うところで、減農薬有機農業の推進は農業の将来にとって希望の星ではないかと思います。
補助金行政から前途ある産業化への道、この法律がその行くべき道の一つではないかと思うところで、夢のある産業としての農業の環境整備を図るように提言したいと思うところです。
取り組みについての方向性をお尋ねいたします。
6.地域と社協
社会福祉協議会と地域の関係についてお尋ねいたします。社会福祉協議会の社会福祉とは何か、似た言葉に公共の福祉があります。
公共の福祉とは社会全体の幸福や繁栄を追求し、一人ひとりが安心して暮らせる社会を実現する事であり、公的な機関や制度が提供するサービスや政策により、教育、医療、住宅、福祉、労働などの分野で社会全体の福祉を高める事を指します。
社会福祉は個人や家族の支援に焦点を当てているのに対して、公共の福祉は社会全体の福祉を追求するために広範な政策や制度を通じて推進されるものという違いがあるという事になります。
ですが、個人と社会全体の差はあるにしろ、福祉の追求ということであり、地域社会の福祉の向上には変わりないものだという風に解釈すべきだと思います。
そこで、社会福祉協議会の機能や役割についてでありますが、地域社会の課題の解決に取り組むという事が時代の流れとともに付加されているのではないかと思います。
少子高齢過疎化の今日です、かつての時代とは違う地域社会です。地域を支える社会福祉協議会という役割が重要な意味を占めています。
休耕田等の草刈や地域猫の対応など従前とは違う地域を支える担い手としての機能を求められるようになりました。役場職員は、公務員法や自治法上の制約があり、柔軟には対応できませんが、社協は民間の知恵でそれが可能です。
新たな地域づくりの核としての役割を担うべきで、先ほど提起した地域が抱える新しい課題の支援を行うのが社協の目指すべきものと思うところで、指導すべきと思うところですが、いかがかお考えをお伺いいたします。

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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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事務所

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