●令和5年3月議会

議長(中城重則議長)
 休憩前に引き続き会議を開きます。(午後 3時00分)
議長(中城重則議長)
 10番、佐竹敏彦議員の発言を許します。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 佐竹議員。
10番(佐竹敏彦議員)
 10番目、最後の登壇をいたします。佐竹敏彦です。
 12人の議員のうち10人の質問がありました。ゼロの登壇の議会もありますが、10人、高知市を除けば多いほうだというふうに思います。町長以下質問に答弁される皆さん、もう少しですが、我慢いただきたいと思います。
 質問に移ります。
 新年度予算の法定受託事務と自治事務についてお伺いをいたします。
 新年度予算が提案されましたが、中土佐町の事務事業は何件で、そのうち法定受託事務と自治事務の割合はおよそどれぐらいでしょうか、お伺いをいたします。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 総務課長。
総務課長(平田政人課長)
 細かな部分があると思うんですが、事業単位で答弁させていただきます。
 本町の事務事業数としては254事業で、そのうち自治事務の任意的なものが152事業、義務的なものが84事業で、法定受託事務としては18事業になり、割合としては7.1%となっております。
 以上です。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 佐竹議員。
10番(佐竹敏彦議員)
 意外と法定受託事務の割合が少ないなというふうに思います。一般的には3割自治ということで、財政的には7割は国等の財源で、3割が自主財源というふうに言われておりますが、その割合から見たら少ないなというふうに思うところです。
 ですが、当然自治事務が多いということであれば、住民の意向に沿って仕事をしておられるということになろうかと思います。町長の答弁も度々、私の上には町民がいるということで、町長よりも町民の意向が強いと、その町民の意向に沿って事務を行っているということでありますが、ややもすると国の意向、県の意向を受けて事務を行っているんではないか。そういう向きがあるんではないかというところを感じるところがあるところです。
 よく言われますが、私たちも地域を回って分かるんですが、集落が消えつつある。消えつつある集落をどのようにするか。中土佐町の自立をどのようにしてやっていくか。こういう視点で我々は、私たちは取り組んでいく必要があろうかというふうに思います。
 そういう点では、参考になるのが江戸時代の幕藩体制、300藩がそれぞれ自立してやっておりましたけれども、中土佐町の事務として自分たちが自立するんだと、霞が関に負けない、県庁に負けないとそういう意思、意欲を持ってですね、取組を進めていくべきではないか。そういう気概を持っての執行体制に取り組んでいくべきではないかなというふうに思うところですが、町長、いかがお考えでしょうか。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 町長。
町長(池田洋光町長)
 議員のおっしゃることはよく分かりますし、私もそういう気概を持って職務に専念をしなきゃならぬというふうに思います。ただその一方でですね、ただいま申し上げた250余りの業務がありまして、これはどうしてもやっていかないと、これ、我々は地方交付税におんぶにだっこの部分がございますので、その職務を果たさないとですね、履行しないと町が回らないという現実もあります。
 そういう中で、職員にさらに自主独立の精神をしっかり持ってやれということは、精神論としてはですね、当然あるべきことであろうと思いますけれども、まずは我々は主従関係ということではなくて、国からあるいは県からの事業もありますけれども、そういうことをしっかりと受託をしたものについて業務上においてですね、必要な事務作業をしていくと。けれども、一番はいかに中土佐町民のためにあるか。そして、中土佐町発展のためにあるかということを私はいつでも職員の皆さんには申し上げております。
 我々の組織の長は中土佐町民ということで、いつも例に挙げていただいておりますけれども、それは今年度の新たな人事も次の号で発表しますけれども、4月号において中土佐町の新しい組織体制、これが発表されるわけでありますけれども、また、同じように中土佐町民が一番上に位置するということになります。
 ただし、よくケネディのですね、Inaugural Addressはいろんなところで引用されますけれども、まず諸君が国が何をしてくれるかということではなくて、諸君が、国民の皆さんが国のために何ができるか。あるいは諸外国に対しては、アメリカが何をしてくれるんではなくて、世界の平和のために何を我々がしなきゃならぬか、それを問いたまえという話があります。まさに今、議員がご指摘をされた点をですね、我々職員一同がしっかりと自覚をして自分たちの職務に向かう。その到達点がどこかということについての一つの指針になるんではないかと思っておりますので、どうか今後とものご指導よろしくお願いいたします。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 佐竹議員。
10番(佐竹敏彦議員)
 諸君が国のために何をしたまうか問いたまえというかく有名な言葉をおっしゃっていただきました。ありがとうございます。
 自分の頭で自分の町をどのように自立化していくかを考える。国の補助金がないと駄目だからというような発想はできるだけもうやめて、自分たちの町を自分たちでどのようにするか、その財源確保をどのようにするか、そういう視点で考えていただければ、今後、中土佐町はすばらしい町になっていくんではないかなというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 次、順番を飛ばしていきます。
 デジタル自治体化についてお伺いをいたします。
 リングローがいよいよ稼働します。4月22日に町長の行政報告では、上ノ加江集学校が開校ということを聞きました。既にパソコン・スマホ教室ということで回覧板が回って事業が進められております。リングロー、非常に楽しみであります。
 岡議員からもありましたけれども、中土佐町、菱高精機がなくなり、上ノ加江保育園がほぼなくなり、次は上ノ加江小学校がなくなる。そういった中で、上ノ加江がだんだん廃れていこうかという時代です。そういった中で、リングローが上ノ加江に中学校跡に来ると。まさに私たちは、リングローが上ノ加江の再生の希望の星と起死回生のチャンスだというふうに思うところですが、今後このリングローと併せて、どのように上ノ加江の振興を図っていくおつもりなのか、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 町長。
町長(池田洋光町長)
 まさにリングローが本町における上ノ加江地区の救世主、メシアであると私も思っておりまして、碇敏之さんという非常にエネルギッシュ、情熱を持った経営者によってこの会社は運営をされておりますが、何度もこれまでお会いをする中で、そのたびにですね、私も力を与えていただいております。
 そういうことで、12月の話でありましたけれども、あっ、11月ですね。私がリングローの本社に訪問したときに、実はカツオを持っていきまして、本社においてカツオを振る舞ったことがあります。そのときに、高知県の東京事務所の職員、あるいは高知新聞社の東京支社長にもご同行いただいてですね、1回どういう会社か見てほしいということで、マスコミにもご案内をしたところでございますけれども、本当にですね、こんな会社もあるんだということでマスコミの関心も呼びまして、来月記事になります。これは、東京支社のほうで全部編集をされるわけでありますけれども、それが当然のことながら新聞に報道されるわけでありますので、ちょうど上ノ加江のリングローの集学校の発表式の直前になりますので、まさに時宜を得たタイミングであるというふうに思っております。
 そういう中で、このたび新たなふるさと納税の事業のプレーヤーとなられますYUENさん、ここも入るようになりますので、いろんな意味で今の情報化社会の中でリングローが果たす役割というのは非常に大きなものがあると思っておりますし、また、上ノ加江地域のみならず町全体において、例えばスマートフォンでありますとかパソコン、ITに関すること、いろんな部分を我々がちょっとなかなかそこに入っていきにくい部分、分野ですね、これをリングローさんのお力を借りることによって、広く住民が現代のIT社会の利益を享受できる。そういうことが生まれるんではないかと思っております。
 したがいまして、いろんな相乗効果によってですね、新たな化学反応が起きて、上ノ加江地域を震源とするですね、波がニューウエーブが発生するんではないかと思っておるところでございますので、どうか議員の今後とものですね、ご指導もよろしくお願いをいたしたいと思います。(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 佐竹議員。
10番(佐竹敏彦議員)
 これからもデジタル自治体化というふうに思うところで、私も何回も自治体DX等について質問をさせていただきました。
 せんだって2月22日に、私は議員研修を東京で受けてきまして、そのときに講師から、佐竹さん、これからはウェブマーケティングですよというアドバイスをいただきました。例えば、中土佐町はカツオ、それから黒潮本陣などを検索すればですね、すぐ出てくるような、行きたくなるようなそういった仕組みをこれからつくっていくべきではないかというふうにアドバイスをされたところでございます。
 そういった視点での新しい感覚を持ってですね、スマホなりデジタルを活用するということで、自治体そのものをデジタル体制に変えていくという必要性があろうかと思うんですが、尾〓正直デジタル担当政務官も、自治体DXの推進協力の要請をなされたところでもありますし、いろんな意味での取組を国も進めております。町としての体制づくり、それから、そういうウェブマーケティングなど新しい感覚での取組などをどのように進めていくおつもりなのか、お伺いをいたします。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 町長。
町長(池田洋光町長)
 以前の議会でもご答弁を申し上げたというふうに記憶をしておるんですが、違うかもしれませんが、尾〓政務官が誕生した直後にですね、私も政務官の下へとご挨拶に行ったところでございますけれども、普通霞が関と言われるところに各省庁が集中しておりますが、デジタル庁についてはですね、元赤坂プリンスがあった場所、赤プリですが通称、あそこでまさに江戸城といいますか、赤坂見附からすぐ上がったところでありますので、江戸城ではないんですが、あそこに何だったか、どこかのお城跡の城壁跡が残っておるところがありまして、弁慶坂もあって、ニューオータニとか、ああいうのがある世界であります。
 そこにですね、あるわけでありますけれども、本当に近代的な新しいオフィスビルの19階、20階、ツーフロアを400人の職員がそこに勤務をされておりまして、まさにこの国を動かしているここは中心だなというふうに感じたわけでありますけれども、政務官もですね、本当にエネルギッシュに飛び回っておられまして、秘書の方も大変ではありますけれども、そういう中で、やはり出た里である高知県、このことを非常にご心配をされておられます。
 我々も自治体として、しっかりと政務官の要請に応えていかなければならないと感じておるところでございますけれども、うちの総務課における電算担当の職員は2名でありますが、今度の異動によって広報担当がまた替わります。新人になるんですが、やはりムードも変えていかなければなりませんし、新しい職員も入ってくるそういういろんな部分で、お互いが刺激を受けながらですね、あるいはまた刺激を与えながら、職場環境が変わっていくといいますか、そのことによって新たな時代に向けた取組をしなければならぬというふうに思っております。
 昨日のを私はちょっと見ていないんですけれども、テレビにおいて、高知県と中土佐町がマイナカードを利用したバスのバスパスに代わるものとした新しい取組を始めると、これは12月議会でもご報告をいたしましたけれども、そういうのも秋には始まります。
 このことも政務官も非常に注目もされておられますし、やっぱりいろんな場面を通じてですね、現在の町をもうちょっと改革できるんではないかというふうなことも思っておりますし、新たな職員体制において、DXの時代をしっかりいいところを享受できるように、それなりに研さんを深めて努めてまいる所存でございますので、またそれぞれの場面において議員各位のご指導もいただきながら、また町民の皆さんとの、先ほども申し上げましたけれども、住民の皆さんとの懇談会、こういうこともポストコロナということでやってまいりますので、いい意味でのデジタル化、これを我々もその恩恵にあずかりたいと考えております。よろしくお願いします。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 佐竹議員。
10番(佐竹敏彦議員)
 田舎は資源・エネルギーの供給基地、デジタル化はその条件を促進するというものだと思います。デジタルは時間的・距離的ハンディを完全に克服します。世界と瞬時につながります。中土佐町が世界と瞬時につながると。そういう点で、デジタル化は地域の再生の一つの大きなキーワードになるんではないかなというふうに思います。ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。
 町振興計画、幸せな暮らしを地域一体で築く、支え合うまちと、そういう視点で赤い羽根共同募金に関してお伺いをいたします。
 共同募金は、公共的性格の団体の共同募金会が募金活動し、賛同する団体に直接助成するものです。この助成ですが、形式的には個人の善意による募金の形を取っておりますが、実質、常会等通じて半ば強制的に集金されているのが実態ではないかというふうに思います。
 ところで、最近、この赤い羽根共同募金に思わぬ疑惑が生じてまいりました。きっかけは、東京都の委託事業、若年被害女性等支援事業の受託団体、NPO法人COLABOの経理不正疑惑でございました。都の監査委員が会計に不当な点があると、再調査を指示をされたのです。現在、住民訴訟が起こされているようでございます。
 共同募金会の趣旨は、「特定の宗教や政治思想を広めることを目的とする団体は対象とならない」というものです。ですが、この団体に対する助成以外に、募金会の理事が特定の政党の選挙応援演説や反政府運動の街頭活動を行うなどしたり、また、テロリスト支援の関係者の団体に助成しているなど、その趣旨に抵触することがネット上で大きな問題となっております。共同募金会の募金活動が単なる個人意思の発意によるものならまだしも、半ば強制的に寄附というのは、こういう疑惑がある中で問題ではないだろうかと思うところであります。このような状況では寄附をお願いするのは心苦しい、寄附はやめるという人もいると伺っています。
 支え合えるまちという町振興計画の目標実現にも影響が出るのではないかと思うところですが、今後の対応等についてお伺いをいたします。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 健康福祉課長。
健康福祉課長(辻本加生里課長)
 赤い羽根共同募金についてお答えいたします。
 毎年10月から始まります赤い羽根共同募金運動は、全国一斉に取り組む募金活動で、昭和22年に国民助け合い運動として始まり、70年を超える歴史のある募金活動です。
 この共同募金につきましては、事前に使い道や目標を定めて行われる計画募金のため、目標額をお示しをさせていただいておりますが、決して金額や寄附の強制をするものではありません。寄附いただいた募金につきましては、中土佐町共同募金委員会を通じて高知県共同募金会へ納め、その約3割が県内の広域福祉活動や災害準備金として積み立てられております。残りの約7割につきましては、配分金として翌年、町内の様々な団体への活動助成金として配分されております。事務局は社会福祉協議会となっておりまして、会計報告・監査は中土佐町共同募金委員会で行いまして、社協の広報等を通じ住民の皆様にもお知らせをしているところです。
 令和4年の実績で申しますと、法人募金や事業所窓口の募金箱分も含め121万525円の募金が寄せられましたので、その約7割を応募のあった地域の団体に活動事業費として助成を行う予定をしております。この助成団体の選定につきましては、募金の審査会を経て決定しますが、令和5年度分は既に年末に募集を行いまして、現在、社協や老人クラブ、そしてボランティア団体等、約7団体から申請があっておると聞いております。
 なお、目標額の設定につきましては、中土佐町共同募金委員会が前年度の募金の実績や助成額を基に設定をしておりまして、委員会の委員は、私も入っておりますが、社協理事会の理事7名と監事2名が当たっております。また、助成団体への審査は、地域の代表の方や社協会長等、各分野から選出された5名の方が審査を行っておりまして、議員が心配されるような経理疑惑はないと確信をしております。
 共同募金はですね、皆様の善意が様々な地域活動の資金となり、地域で生かされております。再度申し上げますが、募金の目標額はお示しさせていただいてはおりますが、決して金額にとらわれるものでもございませんし、目標額が全て町のほうで集まっているという状況にもございませんので、引き続きご理解、ご協力を申し上げたいと思います。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 佐竹議員。
10番(佐竹敏彦議員)
 趣旨はよく分かりますし、皆さんの善意でもって皆を助けていこうと、大変日本人の発想らしいすばらしい制度だと思います。ただ、それを悪用する方々がおいでると。公金チューチュースキームという言葉がCOLABOのこの問題から出てまいりましたけれども、うまく公金を使ってですね、自分たちの活動費、それもその趣旨に沿わない活動に使うと。そういうところがあって、この共同募金、半ば強制的に取られると嫌だという意見が出てきていると。
 そういうところの声は吸い取ってきちんと対応すると、そういうことを再度その関係機関の中に共有していただいて、こういう声もありますと、考え直しをしましょうね、十分チェックしましょうねと、そういう声が必要ではないかなと思うところですが、そこは対応されることは可能でしょうか。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 健康福祉課長。
健康福祉課長(辻本加生里課長)
 募金の趣旨はご理解いただけたということで、今、佐竹議員おっしゃったようなご意見に関しましては、また、中土佐町の共同募金委員会の中でもですね、提案させていただきまして、その中でよくまた協議をするようにということでお答えをしたいと思います。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 佐竹議員。
10番(佐竹敏彦議員)
 よろしくお願いいたします。
 次に移ります。
 こころの教育について質問いたします。
 昨年12月議会で質問通告しておりましたけれども、時間の関係で十分な論議ができませんでした。教育長は、菜根譚を買ってですね、読まれたということは後でお伺いしましたので、この菜根譚、せっかく買われた菜根譚に関して、心の教育問題について質問させていただきます。
 私も菜根譚は知っておりましたけれども、改めて昨年、山本有二衆院議員の国政報告会に出席をする機会がありまして、その中でですね、挨拶の中で、これがその菜根譚ですが、この中に、「寒潭は月を照らさず疎竹は風を留めず」という言葉を引用されてエピソードを話されました。この菜根譚、出典は中国明の時代の洪自誠が書かれたものです。菜根譚ですが、聞いてびっくりしたんですが、戦前の陸軍士官学校その教科書に載っておったということです。15歳から始まる子供たちの軍人を目指す子供たちを育成する学校でありますが、組織の在り方論からは、これが必読の書であったということであります。
 山本代議士は、菜根譚を解説した自らの著書で、「現代における菜根譚の役割を改めて問いたい。戦前の中学生が人間の本質や欲望の在り方を学び、社会や国家論を展開する。これに比較すると、今は全くそうした機会に欠けている。現代社会の心理的病巣であろうか」と結んでおります。
 改めて思うところですが、私たちの教育、政教分離の名の下に、人としての大事な心の教育、宗教教育がおざなりにされてきたんじゃないかなと思うところであります。
 せんだっての1月8日の高知新聞紙上に、京大名誉教授の佐伯啓思先生の投稿記事がございました。かいつまんで言うと、戦後日本は合理的思想が正しいということで、伝統的な信仰心を排除したと。代わりにその排除された中に、新しい宗教、今問題になっているような統一教会などもこれだと思うんですが、新しい宗教やスピリチュアルに救いを求めるようになった。宗教心の原点は、科学的思考や人知を超える絶対的に不可知な死というものが現存していると、そういうところに宗教心の原点があるといって、ここから人知を超えたものへの怖れと帰依こそ日本人の信仰心ではないかということを述べられておりますし、1月29日付の高知新聞の声ひろば欄に、「ご先祖さま」という題で投稿記事がありましたが、これは父の一周忌に当たり、生前は親子であったが、これからはご先祖様と子孫の関係になるということで、代々続くご先祖様との関係は自分と我が子のような関係の連続、子供が家族仲よく健康に暮らせば親はうれしいのであり、子供が献金しないことを先祖が恨むことはない、親は死ぬまで親であり、死後も親であり続けると。
 まさにこれが日本人の宗教感覚、こういうことによって日本人は育てられてきたんではないか、こういうことがおざなりになることによって、様々な社会問題があるということではないかなと。戦前教育はこれをすばらしく、人としての日本人を育ててまいりました。そういった点での戦後の教育、唯物論で合理的・機械的な思考を訓練をしますが、人としての訓練はなされていないと。そういう点での教育長のお考え、教育に当たってのお考えをお伺いしたいと思います。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 教育長。
教育長(岡村光幸教育長)
 宗教教育につきましては、先ほど言われたように政教分離の名の下に行われているわけです。そもそもどうして政教分離なのかという、やはりそこへ戻る必要が私はあると思います。
 かつていろんな宗教があって、例えば儒教にしてもそうですし、そのときの為政者、要するに、今でいうと政府にそれをうまく活用されて、国民を一定の方向へ導いていった。今、戦前のことを議員も言われましたけれども、やはりそれも一定の方向へ持っていくためでもあったように、私は学習をしております。そのために、やはり政治と宗教を分ける。特にそのときそのときの都合によって、それを宗教を利用してですね、例えば国民を戦争へ向かわせるとかですね、ということをやっぱり避ける狙いが私は政教分離の中にあったというふうに、私は理解をしております。
 ただ、見直しとかについてはですね、自分もちょっと思うところがあって、戦前のものが否定され、新しいいろんなものを受け入れるようになってきました。そのときに、オール・オア・ナッシングではなくてですね、例えば戦前からいろんなことを言われてきて、その中で、今でも通じる、あるいは未来でも通用するような教えはその中にあると思います。だからそういった部分を全て否定するんではなくて、その中身、内容によって精査していく。そういった見直しは、あってもいいんじゃないかというふうに私は考えております。
 だから、今の時代においてもやっぱり宗教を、特定の宗教をですね、教えていくとか、それを強要するということは、やはり問題があるんじゃないかというふうには考えております。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 佐竹議員。
10番(佐竹敏彦議員)
 教育長はすばらしい人格の持ち主で、私は、それは大変評価をさせてもらっております。私も、特定の宗教をどうのこうのということはありません。ですが、やっぱり宗教とは何か、心とは何か、人とは何か、そういう視点での教えることが重要ではないかなというふうに思います。
 今、デジタルを最初に言いましたけれども、デジタルにもちゃんと日本人は神様をつけております。天の磐船と言いますが、日本はちゃんとつけております。木にもククノチという名前の神様がおります。日本人は全てに神様、皆それぞれ神です。ですから、神々の国というふうに例えられるところなんですが、ぜひそういう点で教えていただきたいというふうに思います。
 次に移ります。
 人権尊重のまちづくり基本計画に関してお伺いをいたします。
 LGBT理解増進法と黒潮本陣、女性の人権についてお伺いします。
 LGBT、いわゆるレズ・ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの理解と権利を保護する目的の法律ですが、ここで問題とされるのは、トランスジェンダーの性自認という問題であります。体は男だが心は女性というもので、本人が女性と言えば女性と認められるもので、それを否定や批判をすれば、差別ということで批判をされることになります。どういうことかというと、女性専用の風呂や更衣室で性自認の男性が素肌で入室してきても、拒否できないというものです。アメリカやイギリスなどでは既に実例として実際に犯罪が起きておりまして、大きな社会問題となっております。
 日本でもLGBT法が制定されれば、我が町、黒潮本陣がありますが、その対象になります。男性、いかつい男の人が入ってきて素っ裸で女性用風呂に入ってきても、誰も苦情はおろか排除もできないということになります。
 米国では、トランスジェンダーの権利を女性の権利の上に置くことで、女性に対する保護を掘り崩すという最も基本的な考え方で反対をしております。
 多文化共生、多様性、ダイバーシティーという現代社会では当たり前、私も当たり前と捉えておりますが、この法案は、かえって女性の人権が損なわれるという強い懸念の声が多くあるのも事実だと思います。町としていかに対応されるおつもりか、お考えをお伺いをいたします。
議長(中城重則議長)
 LGBT理解増進法ですか、それについての質問と見ますけれども、答弁の前に少し発言をさせてもらいます。
 別に質問を遮るわけではありませんが、この法案については、現在法制化が進められておると思います。今後国会においても議論をされていくものであります。
 佐竹議員は、中土佐町議会議員の立場での政治家としての持論を述べられましたが、議員個々の考えはそれぞれだと思いますし、法案に対する様々な意見もあろうかと思いますが、町議会の場はこうした法案の是非について論ずるよりも、基本として、町の一般事務に関することを議論する場であるべきだと私は思います。
 また、町議会はインターネットでも中継をされておりますので、町内外の方にも心配や疑念を与えることがないように、議員の皆様も執行部も質問・答弁をお願いをできれば、私としては幸いです。
 町長から答弁はありますか。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 教育長。
教育長(岡村光幸教育長)
 先ほど議長も申されましたけれども、議員が言われておるその法案というのは、現在国会で審議されているところでありますし、制定されればという仮定のご質問なのでなかなか難しいところはあるんですけれども、現在やはり性自認についての理解は、私は、現段階では十分町民、あるいは国民に理解されているわけではないというふうに考えております。
 したがいまして、やはり国会でやっぱり慎重にそこは審議していただいて、やはりもっと理解が深まってからですね、しっかりこういう法律は制定していただきたいというふうに考えております。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 佐竹議員。
10番(佐竹敏彦議員)
 そうです。性同一性と性自認、全然意味が違うので、やっぱり国民の深い理解、大変な問題になりますよということで、国民の深い理解を求めていただくということだと思います。まさにそのとおりだというふうに認識をしております。
 少子化と対策について聞かせていただきます。
 町の人口ビジョンとも絡みますが、細かい部分は抜かさせていただきます。
 町長も中野議員の質問で、町全体で盛り上がりをつくりたいと、機運というふうに言われたところですが、私も少子化問題、子育て対策も確かにそうです。当然のことですけれども、その以前の大きなインセンティブを働かすべき問題がありはしないかなというふうに思います。
 今年1月8日の日曜報道ザ・プライムで、少子化対策の基本は何かということで論議をされておりましたけれども、「子供の多い世帯ほど所得税減税」という設問に対して、「賛成」が78%、「反対」12%だったということがありました。
 日本では今、50歳で子供のいない女性を人口学で生涯無子というふうに言われるそうですが、日本がこれが一番多いと。その理由の第一が経済力が要因で結婚できない、2番目が子供は要らない、3番目が今の仕事で子供をつくりたくないということがあります。一番多いのが経済的理由、経済力が不安定で結婚できない、だから子供ができない。2番目は、子供がいるのがうっとうしい、そういうのが理由だというふうに言われておりまして、少子化問題の基本、それによる未婚が大きな前提ではないかと。
 まさに今、日本の少子化の始まりの一つに、日本が低成長に入った時代ではないかなと、そこらあたりが一つの分かれ目になるんではないかな。で、仕事がないと。そういった状況下の中で、適齢期の特に男性が結婚できない。だから、子供ができないと。で、それが縮小再生産に至っているんではないか、つまり子供ができない。で、その次の世代がまた子供ができない。そういう意味での縮小再生産というんですが、そういう時代に陥って、負のスパイラルになり、現状少子化、困難な少子化問題になってきているんではないかなというふうに思います。そういう点で、結婚率の低下が大きな問題、経済的に苦しいことが大きな問題、それを変えるというのが大きな課題ではなかろうかと。
 岸田首相は、異次元の少子化対策というふうに言っておきますけれども、結婚をできる、子供を産む、子供を産むことによって未来がある。で、楽しい生活、家族生活がある、そういった点でのインセンティブが必要ではないかなと。子供がいないということに関して、生活的なマイナス要件が出てくる。で、子供がおることによってプラスの明るい人生、先があると。そういったインセンティブをつくらないとできないんではないかなというふうに思います。
 今いる人たちに対する子育ての政策も確かに大事ですが、それ以前の問題として、今残っている適齢期の女性たち、今後適齢期になる女性たちに、子供ができることによって大きな明るい未来、明日があると、そういったインセンティブが必要ではないかなというふうに思います。わくわく感、そういったモチベーションが大変重要ではないかと。
 翻って身近な問題で上ノ加江ですけれども、保育園がないなり、ここで子供を産もうと思っても、分娩のためには高知に行かないといけない。なかなかこれは子供を産もうというと大変な状況ではないかなというふうに思うところで、大胆な政策が町の状況に応じたものが必要ではないかなというふうに思います。
 せんだって、こども家庭庁の設立に尽力をされた自見はなこ内閣府大臣政務官の講演を聞く機会がありましたが、自見政務官は、国が政策を提示はするけれども、地方から意見をどしどし出してほしいという提案をされました。国も、もう少子化対策の根本的な理由は明確ではないんではないかと。やっぱり地方のそれぞれの意見を欲しいという意味ではないかなと思うところであります。かゆいところに手が届く。中土佐町だったら、こうしたら少子化対策が変わってくると。明石市もそうですし、岡山県の奈義町も人口増が達成されております。
 そういった視点で、中土佐町なりの独自の政策が必要ではないかなというふうに思うところで、町長の夢のある回答をお願いをしたいというふうに思います。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 町長。
町長(池田洋光町長)
 今、新年度予算に盛り込んでおります様々な施策についてはですね、これは先ほども中野議員のご質問もございましたけれども、当然十分ではないんであろうということは我々も認識をしておりますが、やはり予算というものがあって、そして議員の皆様にご理解をいただいて、お認めをいただいてからですね、やっと執行できるという話であります。
 今の町の財政状況、そして、これは中期財政見通しというのは常に改定をしながらやっておるわけでありますけれども、将来にわたってですね、住民の皆さんが安心して町に暮らしていくためのですね、財源、これをどのような形で中期の展望を図っておるかということについて、最も苦心をするところでありまして、確かにいろんな考えもありますし、意見も出ました。しかし、なかなか本町の今の状況からはですね、新年度における施策はですね、まずこれが限度だろうというふうに思っております。
 そういったことを始めることによって、様々なご意見が出てこようと思います。これは当事者である方、あるいはその周りの方、住民の方、もう子育てを終えられてですね、悠々自適の生活をされている方、いろいろおいでると思いますけれども、そういった住民の皆さんのお声も伺いながら、また議員各位のご質問とか、いろんなご指導もいただきながらですね、子供・子育て施策をしっかりと推進をすることが必要であろうと思います。
 もっと大胆にやれと、多分、議員はおっしゃると思いますけれども、私どもといたしましては、新しい政策というものをですね、着実に遂行していくことが町の発展につながる。少子化対策につながるというふうに確信をしておりますので、どうかですね、温かい目でご指導を賜りたいなと思います。
 以上でございます。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 佐竹議員。
10番(佐竹敏彦議員)
 分かりました。1日や2日で成果の出るものではないですよね。長期的展望に立って見させていただきたいと思います。
 第28鳳丸廃船とカツオと鰹乃國の将来性についてお伺いをいたします。
 昨日、下元道夫議員から、カツオ本体につきましては、もうごっそり漁獲高を上げられましたので、その後のことに関してお伺いをさせていただきます。
 町長から大変うれしいものも頂きましたが、多分これも回答されるんではないかなと思うところで、今後の見通し等についてお伺いいたします。特に私、心配するのは中土佐町、鰹乃國として売り出しております。私も自己紹介する場合に、鰹乃國から来ましたということで、カツオを食べてくださいという自己紹介をするんですが、もしカツオが中土佐町で手に入りにくくなる。また、手に入らなくなれば、鰹乃國の看板がなくなります。大変な問題になろうかというふうに思うところであります。
 3月10日には、中土佐町も加盟をしております高知県カツオ県民会議、日本カツオ学会と合同のシンポジウムがありまして、私も出席をさせていただいておりましたが、高知大学の受田副学長が挨拶されまして、私も今議会で質問する予定ですということで話ししたら、佐竹さん、何らかの形でアクションが必要ですよねというアドバイスもいただいたところです。
 資源問題もそうですし、カツオをどういうふうに確保していくか、漁民も含めての確保の問題等が大きな課題であります。町長のこの頂いた、大変うれしい報告等を受けて、報告いただきながら、ご回答いただきたいと思います。よろしくお願いします。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 町長。
町長(池田洋光町長)
 私が議員にお渡ししたのは、気仙沼市の菅原市長からですね、現地の新聞であります河北新報の3月10日号、この記事をですね、昨日送っていただきまして、大変ありがたく拝見をしたところでございますけれども、要は中土佐町の船が、カツオ船がですね、80年にわたって気仙沼で大変なお世話になってきたと。持ちつ持たれつという関係がありました。うちの大型船はですね、全て来年度はなくなるわけでありますけれども、それでも、これまでの取引の80年の絆、これからもというサブタイトルで載っております。本当にうれしく思いました。これまで関係を築いてきた私は歴史というものを大切にしながら、さらに中土佐町がカツオの町であるということをですね、内外に知らしめていくということが必要であると思います。
 かつお祭りについてもですね、今年は400人規模でやるという話も申し上げましたけれども、とにかく高知県内のいろんなスーパーを見て、カツオが出ておればですね、「久礼どれ」というのがこれ見よがしに載っておるんですね。もう本当にカツオのPRは、中土佐町久礼を抜きにして語れないというふうに各社思っておるのは、その証拠であります。
 したがいまして、いろんな形態は変わっていきますけれども、中土佐町も、これからもカツオ船主の皆さん、乗組員の皆さん、そしてそれを期待される魚商人の皆さん、また消費者の皆さんのためにもですね、できるだけの支援をしていきたいと思います。
 受田副学長におかれましては、いろんな形で町のPRもしていただいておりますし、私も長い親交がございます。必ずカツオといったら、もう中土佐町というのが出るのが当たり前の話になっておりますので、これをしっかりと利用しながらですね、これからもさらにカツオの町、中土佐町ということをしっかりPRいたしていきたいと思います。
 あと時間がありませんけれども、私は、気仙沼の日本第3回のカツオまつり大会というのが気仙沼で去年の7月にあったときに、カツオを切って皆さんに提供したんですが、そのときにびっくりしたのが、25年連続のカツオの水揚げ日本一のまちにあって、カツオのたたきを食べたことがないという市民が大半ということに、まず驚きを隠せませんでした。
 事さように所変われば品変わるということで、食べ方すらも変わっていくと。日本の食文化は非常に大きいものがありますけれども、特にかつおぶし、日本食の文化でありますが、もうカツオなしには語れませんので、そういった加工品も含めて、カツオの存在というものをしっかりと我々感謝をしながら、そして、まちづくりのためにカツオというものを、さらにさらに文化とそして各種事業、これを推進をしていくツールになればというふうに考えておりますので、どうか今後とものご指導をよろしくお願いいたします。
(「議長」と挙手する者あり)
議長(中城重則議長)
 佐竹議員。
10番(佐竹敏彦議員)
 中土佐の第1次産業、カツオをですね、ぜひやはり新しい中土佐町の再生を目指す第一、全力でもって取り組んでいただきたいということをお願いしまして、私の質問はこれで終わります。
議長(中城重則議長)
 これで佐竹議員の質問を終わります。
 以上で一般質問を終わります。
議長(中城重則議長)
 以上で、本日の日程は全部終了しました。
 本日はこれで散会をします。(午後 4時00分)


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プロフィール

佐竹敏彦(さたけとしひこ)

田舎の宝を取り戻す!

昭和26年7月11日生まれ、上ノ加江小中学校、須崎高等学校、高知大学卒業。高知市役所に35年勤務。

高知市社会福祉協議会の職員としての経験やノウハウを活かし生まれ故郷中土佐町の発展を目指す。

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