●中土佐町議会
令和7年12月議会質問
1 女性総理誕生の意義
中土佐町総合振興計画の男女共同参画の推進に関してお伺いいたします。
その時、歴史が動いた。令和7年10月21日午後1時47分衆議院の総理大臣指名選挙で高市早苗議員が日本初の女性総理大臣として指名されました。
まさにガラスの天井が突き破られた、日本国が大きく動いた瞬間でした。
その後の高市政権の政策は目を見張るものがあります、約80%という高い支持率が如実にそれを示しています。
「高市早苗です、奈良の女です。大和で育ちました」と切り出した時には目が光っていました。大和は国のまほろば、日本の原点。この力強い決意の言葉に日本人としての魂を感じ思わず震えました。
続いて詠んだ和歌「高円の上野の森の朝霧に妻呼ぶ牡鹿出で立つらむか」に、国民に広く呼びかける決意を思いました。
ちなみにもう一人女性で魂の呼びかけをした人がいます。「散りぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ」と詠んだ細川ガラシャです。
まさにお先真っ暗だった日本、その日本に希望の光を差し込む。
日本神話の天岩戸で八百万の神々の希望に沿って光をもたらした、天照大神の再来を高市総理に思います。
11月7日、国会予算委員会で、台湾有事に関する質問に「存立危機事態と認定する可能性がある」と高市総理が答弁した事を契機に、中国が日本に対する渡航禁止などの経済制裁が発動されましたが、結果、中国の理不尽な措置に屈する事なく毅然と対処する日本を見て、国際社会に新たな秩序が芽生えつつあるとの識者の声もあります。
現存する国で世界最古の歴史を誇る日本で最初の女性天皇は推古天皇です、日出ずるところの天子という国書を送った聖徳太子の時代でした。高市総理は明治に制度化された内閣制度で最初の首相、まさに日出ずるではないでしょうか。
日本を今一度せんたく致し申し候、坂本龍馬の言葉を使い、女性首相としての決意を述べましたが、まさに、高市総理は、時代が求める新たな日本を作ろう、新たな国際秩序を作ろうという令和の時代の歴史使命を背負っているのではないかと思います。
町長にお伺いいたします。日本でも女性が総理大臣になったというこの画期的な時代の中、役場も変化が必要です。
「働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」という総理大臣指名後の視察が今年の流行語大賞に選ばれました、国家国民のために働くという強い決意が授賞式で改めて述べられました、男社会だったら当たり前だった夜の会合を遠慮して、粉骨砕身国家に尽くす、他の閣僚もそれに釣られて邁進しています。高市早苗という一人の女性の登場で世の中の雰囲気がガラッと変わりました、町長どう思いますか、高市総理のこの素晴らしい態度。
新しい次世代の命を育む女性の目の視点は重要です、女性の活躍の場を役場としてどのように生かしていくかご所見をお伺いいたします。
中国は経済制裁を日本に課して来ています、中土佐町には影響がないかどうかお伺いいたします。
高市総理の誕生において、なぜだろうという現象がありました。常日頃、男女平等とかジェンダー平等、女性の社会進出といった事を訴えて来られた方々が、高市総理の政治的立場に異議を唱え、女性であればだれでもいいというものではないと自分たちの立場と異なるからと否定的な見解を述べられ、排除しようとしていることです。
日頃、差別やデマを止めろと主張する公党の重要なポジションにある人が、トランプ大統領との首脳会議の際の行動に「現地妻」という言葉を投げかけています。勿論、これには差別主義はどちらかと大炎上です。
特定の立場に立って、排除しようというこのことは、思想信条の差別であり、まさに昨今問題だと指摘されている排外主義だと思うところです。
特定イデオロギー以外の女性を排除しようとするこの対応は、思想による差別であり、多文化共生や多様性社会ということに真っ向から対立するものではないでしょうか、到底許されざる人権問題ではないかと思うところです。
中土佐町では人権教育を行っているところですが、人権教育に際して、どう取り扱い、どう対応していくのか、教育長の方針をお伺いいたします。
2 固定資産税
固定資産税に関してお伺いいたします。
固定資産に関しては、様々な方々から負の財産であり、持っていても荷物になるだけやという事で役場に寄付したいがという声のある状況の下で、質問いたします。
土地や家屋にかかるこの税は市町村にとっては重要な財源の一つであり、税法上の制度として市町村が判断できるものではないことは重々承知したうえで、取り上げるものです。
戦後、シャウプ勧告に基づき、憲法に定められた地方自治制度を実行たらしめる財源として昭和25年の地方税法で戦前の地租家屋税が改正されたものですが、施行後73年経過して制度疲労の様相を呈してまいりました。
これは農村や中山間の疲弊化の問題と密接に絡む問題であろうかと思います。農業が衰退し田圃を耕す事も少なくなり、山で生活することも無くなりました。結果、収益を生むことなくただそこにあるだけという事に、逆に維持管理費のみ支出という事態に至っており、その上に税金という負荷がかかって来ています。
田んぼや山を持つだけで、金にもならず大きな借財を背負っているといっても過言ではありません。
一生懸命働いて税金を納めようやっと家を建てたら家賃を払わんといかん、それも国に、という事を言う人がいます、言いえて妙ではないでしょうか。土地や家屋は国のものでしょうか。私たちは地代や家賃を払わなければならないのでしょうか、おかしいと思いませんか。私有財産制の国ですよ。日本国憲法が国民の財産を私的に所有することを保証しているのですよ、それなのに持つだけで税をかけるのですか。憲法違反の制度ではないかと思うところです。
「税の日本史」という本に、大化の改新の日本最初の税制の租庸調で租が基本的に地方政府に収められたとあります。で、この租は、田んぼから収穫された稲で納められています。
ということは何か、土地から生まれる果実が課税対象だったということです。併せてこの本には、日本の税制で特徴的なのは、取りやすいところから取るということだと断言しています。
町長にお伺いいたします。
国民年金等での庶民の生活は大変です。無収益の上に維持費もかかりますが、それらを必要経費として認めない現行制度は問題です。制度を改めるよう町村会等を通じて国に働き掛けてはいかがかと思うところですがいかがお考えでしょうか。
3 戦後80年の課題
先日、テレビで「ALLWAYS三丁目の夕日」という映画が放映されていて見る機会がありました。
昭和30年代の社会状況を背景にした映画でした、昭和33年に完成した東京タワーが映し出されていました。
あの時代、高度成長期に入る時代でした。皆が貧しい時代でしたが、隣近所や社会全体が明るい雰囲気に包まれたほのぼのとする時代で、醤油や塩、砂糖など貸し借りしたり、ひとのくの家で一緒にご飯を食べたりと、そうやったそうやったと、まさに古き良き昭和の時代を思いだしたものです。
そうした中で、「佐竹さん最近世の中が変わってしもうたね」と年配の女性からしみじみと今の社会の実体験を話されました。
符牒を合わすかの如く、昭和21年生まれの上ノ加江出身の人が昭和32年当時の上ノ加江を少年の思い出として「ふるさと」という題名で本を出版されました。
「小学5年生の洋一は、胸を躍らせて釣り糸を海に投げ入れた。魚釣り、虫取り、浜辺での貝探し。一日中、海や川で遊び、自然と一体だった」と夏休みの出来事を描いていて、読むにつけ子供時代の事が懐かしく瞼に浮かんできます。あとがきに、「この町の過疎化は、どんどん進んでいる。果たして、止める術はないのだろうか。自然豊かなこの町で、子供を育てる意義は十分にあるのではないだろうか。潮の満ち引きを体験したり、雲の流れや空の移ろいで天気を予知したり、太陽の位置で時間を読んだり、また、昆虫など小さな生物と接するなど、自然の中で遊ぶ意義は大きいと思う。」と子供の教育に関して提言されています。
人としての何かしら豊かなおおらかなものが訴えられているように思います。
制度は整っているが何かぎすぎすしたしゃくし定規の、そういうものを感じる今の社会です。
「父母に孝に兄弟に友に夫婦相和し朋友相信じ恭倹己を持し博愛衆に及ぼし学を修め業を習い以て智能を啓発しコ器を成就し進んで公益を広め世務開き常に国憲を重んじ国法に遵い一旦緩急あれば義勇公に奉じ」と、かつては学び国民の当たり前の常識でした。
東京タワーは戦後10年ほど経った時代で、「ALLWAYSーの世界で生きている当時の大人達」はこの12の徳目の下で育てられて来た人達でした。何かしら今の人達とは何かが違うように思いました。温ったかみが違う、人と人との関わりが違う、まさに徳目がそこにありました。
この徳目は、誰かに強制されて出来たものでもなく、私たちの先祖が営々と紡いできたものです。
これは、7世紀の聖徳太子が制定した「和を以て貴しとなす」という憲法17条に遡るのではないでしょうか。
そういう世界最古の国の昔からの人や社会を育てる教育を失った結果が今の社会状況ではないかと思います。偏差値エリートとはよく言われますが、頭はいいけど何か欠けていると我々政治の世界でしばしば言われます。
世の中、何かおかしい。根本に教育の在り方があるのではないかと思うところですが、お伺いをいたします。
4 高知大学連携協定
6月議会で、上ノ加江のスーパー廃止問題に関して上ノ加江の活性化策を高知大学と連携して検討していってはどうかと質問しましたが、ちょうど、なかとさ美術館のグランドオープンの日に高知大学受田学長と懇談する機会がありまして、地域課題の解決に高知大学が関わるのはやぶさかではない、ついては協定書を結んでいただければ入っていきやすい、とありがたいお声をいただきました。
中土佐町は「鰹乃國」としてカツオを前面に出して売り出しているし、土佐の一本釣りの漁港でもあり、カツオに関する文化もある、カツオの研究に向けた資料も蓄積されているところで、久礼の町に研究施設を置いてここで学生等に研究してもらえれば、カツオ学がいきるがとも提起させていただいたところです。
そういう点で、高知大学と連携協定を結び上ノ加江の振興策の課題の究明だけにとどまらず、カツオを活かした久礼のまち、中土佐町の振興策を一緒に研究するため協定書を締結してはいかがかと思うところですが、いかがでしょうか。
5 緊急銃猟制度
改正狩猟法が今年4月に成立し「緊急銃猟制度」がスタートしました。私も猟友会の支部長としてこの法律の説明を受けたところです。
頻発する熊等の市街地等での出没事案に対して従前の制度から大きく変わるものです。
対象物は、熊とイノシシで人の日常生活圏内の安全が確保される場所で猟銃やライフル銃による捕獲を行うもので、市街地の建物に侵入している場合は夜間でも可能となります。
で、実施に当たっては市町村が行うとなっています。
捕獲作業の現場に市町村職員がいて、いわゆる「発砲命令」とか「発砲許可」という事になろうかと思いますが、相手は猛獣です、威圧の段階でいつ射撃すればいいか、相当、現場になれていないと難しいのではないかと思います、言うは易し行うは難し、です。
主に北海道や東北等の熊が対象だと思いますが、県内でもイノシシが高知市内や土佐市内に現れたという事で、遠い世界のことではありません、幸いなことに中土佐町では事例はありませんが、いつ何時対応するようになるかは分かりません。
起きた場合、発砲の指示は役場職員ですが具体的にどのような内容で行うのか、現場での建物や人的被害の可能性があります、万一の場合の補償の問題はどうするのか、実行者は猟銃所持者です。
緊急銃猟制度に関する条例を制定し、基本的マニュアル作成が必要だと思うところですが、ご所見をお伺いいたします。
6 高校と地域課題
人口減少、入学生減少に伴う高校定員割れ減少に続く「県立高校振興再編計画」が今年度から2032年までの期間で取り組まれます。で、高校によっては廃校分校化のやむを得なき事態も訪れるところで、周辺部の郡部の学校を中心に戦々恐々としています。10月9日の高知新聞には、隣町四万十町の窪川高校の存続にかかる取り組みが報道されていました。
この計画では、県立高校だからという事ではなく、高校存続に市町村の積極的なかかわりが謳われています。
中土佐町では私の母校でもあります須崎総合高校に進学する子供たちが一番多いのではないかと推察するところです。
高校進学者の割合はどうなっているかお尋ねします。
須崎総合高校は現在のところ廃校分校の対象にはなっていないと思いますが、高校が無くなれば当該自治体は言うに及ばず周辺自治体も受ける影響は少なからずあります。高校生の転出で若者人口が減少します。
町として須崎総合高校等への支援はどのようになっていますかお伺いいたします。
私の時代はそうでしたが、普通科高校は通過点の一部という印象が強かったように思います。大学進学のための勉強機関でした。ところで、人口減少時代の今、高校が地域課題の解決機関の一翼を担おうというそういう勉強スタイルの学校が徐々に増えてきています。議員研修で言った島根県隠岐の島の島前高校や北海道大空町の町立大空高校など地域課題に取り組み起業化するものです。高校の魅力化の取り組みもあります。市町村が資金援助して語学学習等で海外留学制度を設けたり、テストの在り方をかえたりと魅力ある学校づくりも行なっています。窪川高校の野球部復活もその一環です。
ドジャースの大谷翔平選手が二刀流で大活躍した米大リーグワールドシリーズで優勝、山本由伸投手がMVPに選ばれました。私もこの試合のテレビ中継を見ていましたが、最後のダブルプレイで打ち取った際には感動しました。その山本選手生まれは岡山県備前市で小中までは岡山にいましたが、高校は野球が思う存分できる環境にあるという事で宮崎県の都城高校に進学したということです。学校づくりの例でもあります。
生成AIの発達で、アメリカではいわゆるホワイトカラーの職業分野がITに取って代わられつつあるということで、単なる大卒よりも技能や技術を身に着けた者の優位性が言われるようになって来ています。
10月31日の市町村議会議員を対象にした研修トップセミナーで、小中学校の少人数による学級編成の取り組みについて人口減少時代を逆手にとって先進事例として進めるべきという意見を伺いました。
時代の要請に対応できない高校は淘汰されていく運命にさらされるでしょう。
高校で地域課題を見出し、その解決の取り組む、そして仕事を地域で自ら創る、そうすれば少しでも人口減少に歯止めがかかり、地域の産業化にもつながります。町としてのお考えをお伺いいたします。
