●中土佐町議会
令和7年9月議会質問
1.町長選の池田町長の去就を問う
来年1月25日執行予定の町長選における池田町長の去就についてお伺いいたします。
町長は現在5期目、20年と喃々とします。この間、大野見村との合併や役場や消防庁舎、久礼保育所、そして美術館の高台移転、南海トラフ地震対策の一環としての避難タワーや避難道の整備などハードやソフト面の整備を着実に推進してまいりました。が一方、全国的な課題でもあります、少子化や人口減少問題、農林漁業の衰退、中山間地域の疲弊化という課題には明確な手立てが打ち出せていません。
そうした状況下にある中土佐町政ですが、来年1月予定の町長選にはどうされるお積りかお伺い致します。
また、立候補されるとなれば、何に取り組まれるお積りかお伺いいたします。私は、人口減少少子化や第一次産業特に農業、米づくりではないかと思うところです。これらはいずれも非効率、いわゆるノンエフィシエンシィの分野、都会的効率化から遠く離れた、現代日本にとっては捨象されている分野です。
東京一極集中から疎外された分野の優れた今日的課題の分野のこの問題こそこれからの農村や中山間といった田舎の大きな課題だと思うところですが、町長の公約とも言えるお考えをお伺いいたします。
2.米づくり
その農業問題、米づくり政策についてお伺いいたします。
8月19日にテレビで米問題について報道されていました、横浜市を例に取り、高知県産米コシヒカリが5キロ単価を8800円、よさ恋美人7800円という価格が紹介されていて、消費者のうちいわゆる国民年金で暮らす人から「高い、買えない」という声の報道がありました。今、米づくり農家から1袋30キロで最低2万円でないと元が取れず赤字という声を伺った事があります。中土佐町では30キロ当たりいくらぐらいで販売されているのでしょうか。
米は生産者からは安すぎる、消費者からは高すぎるという相矛盾する声を聞きます。いずれも現場の辛辣な声です。
今までの日本は米づくりをいわば見捨てていたのではないか、それが減反政策でありました。近年、特にウクライナ戦争による食料品の高騰から食料の安全保障が強く言われるようになりました。
が減反政策の結果、米づくり農家が減少し、後継者不足に悩まされているのが実態ではないかと思います。米の需給ギャップも言われています。
中土佐町の需給状況はいかがでしょうか。
米問題についてテレビ放映に関連してフェイスブックに投稿したところ、県内出身の人から、かつて、自分のところの町長が米農家から高額で米を購入し、中学生以下のいる家庭に教育奨励品として配給していた事例を紹介されました。非常に評判がよく、農家も収入が安定し潤ったという事でした。
米農家から高く買って安く売る、その差額は食料の安全保障費として充当するという仕組みがいいのではないかとおもうところ、こういうシステムも一つの方法ではないかと思うところですがいかがでしょうか。お伺いいたします。
3.能登半島被災地視察に思う
8月4日から三日間、能登半島地震、奥能登豪雨の被災地に議員研修で視察しました。
和倉温泉ホテル群や輪島朝市の壊滅的打撃に圧倒され、珠洲市大谷地区の海岸ぶちの崖崩落現場には驚愕の一言でした。復旧復興までには相当の工費と期間を要すると推察するところです。
この研修で珠洲市の担当者から、それぞれの市町村の特性に応じた対策が必要なこと、能登半島の端にあり、迂回路がなく道路が寸断され陸送ができず救援物資が遅れた事、通電までに一週間かかって飲み水が作れず、通信手段が使用できなかった事、が教訓と言われました
この事例を通じて、「国難」とも指摘される南海トラフ地震で備えるべき事について質問いたします。
直ちに課題となるのが道路です。上ノ加江、矢井賀は県道の崩壊で孤立化が予想されます。第二のルートの確保も必要です。
また、電源確保は情報の受発信を含め重要なことで太陽光パネルの発電設備やモバイルバッテリー等の配備が重要です。
併せて、デマやパニックに陥らないよう正しい情報が不可欠です。情報の受発信が可能な環境整備が必要です。町の備えはいかがでしょうか、お伺いいたします。
能登半島では、地震後の復旧復興に追われている最中に豪雨災害がありました。ようやっと目途が立ってきた時にという事で心が折れたということでしたが、中土佐町でも災害訓練では、地震や津波に合わせて、豪雨や台風などといった複合災害を想定した訓練や電源喪失自事態における情報受発信の訓練も大事なことではないかと思うところです、いかがお考えかお伺いいたします。
4.外国人土地買収
今、北海道など日本のあちこちで外国資本、外国人による土地買収が大きな社会問題となっています、ご存じでしょうか。
特に、水源地や防衛施設のあるところなど、生命維持機能や安全保障上問題となるところが重点的に買われているようです。
令和4年に、安全保障の観点から土地の利用を調査、規制する「土地利用規制法」が施行されましたが十分な対策が取れるというところまでには至っていないのが現状です。
北海道では令和5年度現在で約3500ヘクタールの土地が買収されているという事です。
中でも問題となっているのは中国資本による土地買収です。
本来は、相手国との相互主義に基づき包括的な対応をすることが求められるところで、日本では大正時代に制定された外国人土地法がありますが、政令等の具体的な措置が取られておらず、執行できる段階には至っておらず、痛恨の極みです。
7月26日付けの産経新聞に、「瀬戸内の小島に中国資本」という記事が載っていました。山口県柳井港の南の瀬戸内海に浮かぶ面積94万平方メートル、人口わずか7人の笠佐島で、約3700平方メートルの土地を日本の不動産業者が斡旋して購入したというもので、法律上の問題はないとの事ですが、「島全体が中国人に買い占められるのではないか」と、住民が戦々恐々としているという内容のもので、テレビでも報道されたところです。
高知県内でも、土佐市で中国資本による土地買収が問題となっています。東鴨地の農地だったところに、最初、「建設汚泥改良土の製品置き場」ということで始まり、「ソーラー施設」で転売、業者を転々とし、最後は中国資本による「産廃処理施設」となり、黒鉛や悪臭で問題となっているというものです。
外国資本、中国資本による土地買収は大きな問題となっています。命の源である水源林を買い占められ、日本の水でありながら、中国人から飲料水を買わざるを得ない事態に至る可能性があります。事実、北海道?知安町では水源地の水をペットポトルで中国に輸出という事も言われているところで、いよいよ現実味を帯びてまいりました。
中国によるこの行為は、忍び寄る侵略、サイレント・インベージョンであり、オーストラリアなどで問題となって来ました。中国は、国民動員法や国家情報法、会社法といった法律に共産党の規約があり、日本の企業活動とは異なる対応をしています。
この中国資本による買収問題ですが、日本の現行法ではいかんともしがたいものがあります。
住民の生命や財産を守るべき立場に行政の存在意義があるわけですが、中土佐町にこういう事態発生していないか、水源地を守るためにも今後どのように対応されるのか、お伺いいたします。
5.地域おこし協力隊
先だって、娘さんが仁淀川町の地域おこし協力隊として来町されたアメリカ人の政治学博士のロバート・エルドリッヂさんの話を聞く機会がありました。
娘さんは地域おこし協力隊を卒業され、仁淀川町の古民家を活用した民宿を経営されておられますが、娘さんなどの事例から地域おこし協力隊についてアドバイスを頂きました。
地域おこし協力隊は素晴らしいプログラムだが、十分活かされてないという事でしたが、すばらしい能力や技術を持って来ているのに、その能力の活用をしていないのではという事を提起されました。
起業家的精神を持っている人を活用すればその人の能力、ノウハウで地域が伸びる、地域が存続していくために使命感を持ってやる人、ハングリーな精神を持っている人が多い、せっかくの人材なのでうまく活用してほしい、ということです。
中土佐町の地域おこし協力隊の活用方針はいかがでしょうか。
本人の持っている資質を上手に引き出し、中土佐町の課題の解決や地域開発の人材として活用できるのではないでしょうか、また起業家精神があれば、中土佐町の資源を活用した産業おこしができるのではないかと思います。ご所見をお伺いいたします
6.文化財の保全
ある人から、戦国時代の上ノ加江雲居城主の平田兵庫頭のお墓がどこにあるか知らないかという問い合わせを頂きました。中学生時代に我が家の家系に興味があり、先祖佐竹太郎兵衛尉義秀と対立していた平田兵庫頭兼親の事績を調べ、網代地区にある墓に行ったことがありました。が現在、どこにあるか確かな場所が分からなくなっています。
また、佐竹が領有する前に支配していたという池田氏の池田様五輪塔群の場所も場所を案内する看板もなく不確かな状態です。禅源寺住職周陽和尚の墓碑も野ざらしのままで砂岩の為に文字が剥落化しています、このままでは天正の年号が刻まれた墓誌は読み取れなくなります。
文化財として指定されているものを含め、これらの保存についてのお考えをお伺いいたします。戦争遺跡の保全についてお伺いします。
日本国は明治維新以来、欧米列強の植民地になるまいと「富国強兵」を合言葉に頑張ってきました。結果、白人社会に滅多打ちにされ、世界最古の国の歴史や文化は破却されてまいりました。その一つに日清日露の戦争から大東亜戦争までの戦没者を慰霊する忠魂墓地や忠霊塔も遺族以外ほとんど見向きもされない状況となっています。残念です。
上ノ加江在住の私として、上ノ加江越地区にある忠魂墓地の清掃維持活動を双従兄と行っています。近年、遺族も墓参することが少ないようで、荒れるに任せたままの状態です。
くしくも今年は終戦80周年を迎えます。私は、こんにちの平和な日本は、この戦いで亡くなられた方々の尊い犠牲の上に成り立っているという事を信ずる者です。「私たちが生きている今は、誰かが生きたかった未来」という言葉があります、こういう言い方もされます「私たちが生きている今は、命を懸けて守ってくれた未来」、と。
忠魂墓地は、日本の歴史、中土佐町の歴史の貴重な証言者です。江戸時代以前の遠い遠い歴史の遺物は文化財として保存保管の措置が取られていますが、同じように忠魂墓地も戦争遺跡として文化財と同等の扱いで保存措置を講じるべきだと思うところです。
見解をお伺いします。
上ノ加江の忠魂墓地の墓碑には、個々人の事歴が刻まれています。歴史上の重要な第1級史料です、拓本を取るなりして記録保存すべきと思うところですが、併せてお伺いいたします。